メタ視点、相手視点で考える方法
以前書いたメタ視点の話に繋がる話を書きます。
はじめに
今回は自分なりの経験として、相手視点で考える方法、そのメリットと考える時のコツ、注意するポイントをまとめたいと思います。
先に気を付けたいこととして、常に相手のこと考えろ、優先しろって話じゃないです。
(プライベートでこればっか意識していると疲れるので)
これは、仕事とか結果を出すことに関してで、他の人が何を重要視しているかを知ることで、自分にとって有利な方向に進められるよっていう話です。
前に、考え方が直感的、感情的だった考え方が、メタ的、論理的に変わったという話を書きました。
それから嬉しいことに仕事をする上で、仕事を汲み取ってくれるからスムーズに進むと言われることもあったりしました。
やっぱり、自分で意識してやっていたことが、少しずつ形になっている気がして嬉しかったですね。
自分がやってること
相手の視点を考える上で一番効いた方法として、情報を集めまくって、頭の中で仮説を並べまくって、検証してみまくるっていうのが良かったんですよね。
やることとしては、
1. 相手と自分の持っている定性的、定量的情報を列挙してみる。(わかる範囲で)
2. その情報から、考えられる仮説を立てる。 その結果、A案、B案、C案、D案、E案が浮かんでくる。
3. 定量的にA案、B案、C案、D案、E案のどれが良いかを自分だったらの目線で考える
4. 1,2,3を繰り返し行い、転用可能な抽象的なルールを導き出し、相手の視点と近い考え方をする精度を上げていく。
を頭の中、もしくは何かに書いてしています。
大体は、この1,2,3,可能であれば4をしっかりできれば相手の視点になって考える事ができると思います。
これ、理系チックに言うと、相手の思考を当てる高精度な分類器を頭の中で無意識に作ってるイメージです。(この辺の説明は長くなるので割愛しますが、自分のイメージではそんな感じです。)
自分がどのようにやっているか
1. 相手と自分の持っている定性的、定量的情報を列挙してみる。
これ、説明が難しいんですが、自分の思い込みや常識で考えていることをなるべく無くす、他の人が誰が見ても納得のいく状態に解像度を上げていくための作業です。
逆にここをしっかりできさえすれば、あとは結構簡単です。
例えば、「コロナになった後にどういったサービスを打ち出すと良いか」といったプレゼンをしてくださいと言われたとします。
こうなった時、何から考えていくと良いでしょうか?
まずは、現状どのようなニュースが流れているかを考えます。
・コロナでリモートワークしてる人が増えてる
・コロナで学級閉鎖
・コロナでお店が閉まってきている。
上で挙げた情報は定性的かつマクロ的視点でみた情報です。
ここでは必ず、本当にそのような現実なのか定量的にファクトチェックをしましょう。
・コロナでリモートワークしてる人が増えてる => リモートワークしてる人の割合は? 家にいる人の割合は? 出勤している人の割合は?
・コロナで学級閉鎖 => 現在どのくらいの割合?
・コロナでお店が閉まってきている。 => どのくらいの割合? 普段お店が掲載されているページで、現在はどのくらいページが掲載されている?
これをすることの利点として、イメージではそうだったけど意外と違かったという点と、相手への説得力が増す点があります。
続いて、自分の立場から見たときの情報を挙げてみます。
・最近、UBER EATS使うようになってきたなあ
・結構、オンライン飲み会しているなあ
・外でなさすぎて、外出て動きたくなってきたなあ
上で挙げた情報は定性的かつミクロ的視点でみたときの情報です。
これは、自分の経験で起こったことなので身近に考えられますが、これも実は擬似的に定量的に落とし込むことができると思います。
・最近、UBER EATS使うようになってきたなあ => 出前サービスやってる会社の株価がどうなっているか
・結構、オンライン飲み会しているなあ => Twitterでのオンライン飲みの呟きの数
・外でなさすぎて、外出て動きたくなってきたなあ => 呟きの数、街に出歩いている数の推移
上のマクロ的情報は情報が数として見えやすいですが、この自分の経験則からのミクロ的情報は、数として見えづらいので、Maxがいくらだとして7割くらいと肌感覚を持つことが必要かもしれません。(ファジー的に見る,だいたい、およそこのくらいというイメージを持つということです)
上の二つができたら、だいぶ解像度が上がってきていますが、最後に立場の異なる相手に説明するとなった時、相手の立場で考えられる情報を挙げていきます。
これは、『自分がやってること』で示した4ができてくるとこの情報の確度も上がってきますが、初めのうちは難しいと思うので出せる範囲でやっていきます。
なぜこれが必要なのか?
それは、これをプレゼンする相手が大企業 or 中小企業なのか、製造業 or IT企業なのか、エンジニア or マーケター or 営業なのか、どの役職者なのか等によって、フォーカスする点が少し異なってくるからです。
ここでは、相手の立場によってのマクロな視点とミクロな視点を考えいきます。
相手の立場(マクロ)では、その企業がどの方向で進んでいて、何に力を入れているのかが重要です。
・企業の経営状態
・企業の力を入れている施策
・toBかtoCか
・その企業の業態は社会的に伸びていくか、衰退していくか
ここら辺も定量的に落とし込んでおきましょう。(上と同じく調べておきます)
次は、相手の立場(ミクロ)ですが、
・会社の社風
・経営者が重要視していること
・営業、マーケターが重要視していること
・エンジニアが重要視していること
これに関しては、一言でこれと言えるものではありません。人によって千差万別です。
ただ指標として、慎重なタイプが豪快なタイプか、どこの数字を重要視しているのか、どういう考えを重要視しているのか、その傾向を掴んでおくことが大切です。
最後に
とても長くなってしまいましたが、ここまで洗い出すことができたら、後は仮定を立てて検証していくだけです。
具体的に仮定を立てて、検証する方法はまた別でまとめてみたいと思います。
今回は、「コロナになった後にどういったサービスを打ち出すと良いか」というプレゼンという形で考えましたが、上で挙げた1,2,3,4ができていれば、大小ありますが、他のことにも応用ができます。
自分の部署で先輩から、抽象度の高い仕事を頼まれた時なんかの時は、
特に注目しておくポイントとして、
・自分の考えうる情報を定量的に落とし込んで見る。
・定量的に落とし込みづらい定性的な情報はファジーな情報として落とし込む
・相手が重要視している部分を考える
・重要視している部分がわからなければ、その周辺のファクトを集める
とかを自分は自然とやっているかもしれませんね。
結構無意識にやってることで、当たり前に思えるかもしれませんが、これも、初めのうちは相手の重要視していることが掴めなかったりするので、何度も繰り返して、知見を増やしたり、経験していくことが必要です。
自分の勝手なイメージですが、めちゃめちゃ賢い人って、この持ってる情報がまず膨大で、かつそこから考えられる仮説の数が山程あって、それを検証して最終的に導き出される数案を短い時間で考えられる人なのかなと思っています。
恐らくそれが出来るのは、この洗い出し、仮説、検証を繰り返し行ってきた結果、脳がチューニングされたからなのかなと思っています。
以上が自分がやっているメタ視点、相手視点で考える方法となります。
自分でも、この内容は何回か精査して、わかりやすい形に直していきたいなーと思います。見ていただきありがとうございました。
おまけ
以下の内容は、相手に伝えるには不十分なんだけれども、自分としては重要視していることを書きました。
上の内容は守・破・離でいうと守の内容なんですが、
自分としては、もう一つステップアップとして、定性的な部分の解像度をもう少し上げていけたらと思っています。
述べてきたことは事実ベースに確実に物事を進めるために行うことですが、過去のことや現在のことを基軸に考えているので、そこの枠を飛び出して考えるためにも、転用可能な抽象的なルールを加えることが出来ると良いかもしれません。
Aという事実からB, Cという仮説が考えられる時、
他の経験でDからE、FからGが導き出せていて、そのルールから、Aという事実からB,C以外にも、X,Y,Zの仮定を考えることができる可能性が生まれるわけです。
この抽象と具体の関連付けは、経験的かつ直感的なものなので、知識と経験を蓄えて、磨き上げていきたいと思います。
また、これに関しては、アートに近い内容で、再現性を持たせることが難しくもあります。(恐らく、最近ではそれもフォーマット化されて出てきているのかもしれませんが)
思いつきとかに見えてしまうことがあるので、自分の見せ方を意識しつつ、時たま発揮していくと、殻を破るキッカケになるかと思っています。