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お喋りの方法

舌癌の手術・入院中のリハビリには2人の方が付いてくださっていました。
1人は身体の機能回復担当の理学療法士さん。
もう1人は

喋る・食べる機能回復担当

の言語療法士さんでした。

最初は母音しか出てこず、手術前の説明にあったように

20%戻れば良い方。残りの人生筆談になるだろう。

という事が現実味を帯びていました。

母音は発音できる…とは言っても「い」「え」は唇と頬が麻痺し「ぅい」「ぃえ」の様な音しか出てきません。
う〜ん…やっぱダメか❓と凹んでいたら
「口の形や息の出し方で音を作る事ができますよ。50音一通り発音してみて、出来ている音を元に出したい音を組み立ててみましょう」
とアドバイスが(°▽°)エ?

幸い「あ」「う」「お」の発音はキレイに出たので「か」「く」「こ」は喉の奥に強く息を当てる事で発音できました。

同じように
「サ行」は前歯を合わせて強く息を当てる。
「タ行」は口内を狭くして息を通す。
「ナ行」は鼻にかけて「ンな」と音を出す。
「ハ行」は息を出来る限り強く前へ出す。
「マ行」は唇を合わせて「ムま」のように発音。
「ヤ行」は口内を狭くして鼻にかける。
「ラ行」は「う」の口から「ゥら」と発音。

という様に「キレイに出る音」をキッカケにして音を組み立てていきました。
最初は出来なかった「い」「え」の発音も、麻痺している部分を摘んで横に引っ張って動かすことで、徐々にキレイな発音に変化していきました。

注意が必要なのは「話すスピード」と「唾液を飲み込むタイミング」です。
本来なら必ずあるハズのモノが口の中に無いので、発音するのに時間がかかります。なので早口で喋ってしまうと意味不明になります。
「焦らずゆっくり」が基本。
したがって、せっかちさんとは交流しないようにしましたw
舌亜全摘すると唾液を無意識では飲み込めないので、口の中に溜まり、ついつい口の開け方が小さくなります。
口の開け方が小さいと、せっかく組み立てた音が出てきません。話す時は水又はお茶をチビチビ飲んで唾液を溜めないように注意です。

身体のストレッチなどと同様に、毎日発音練習を続けると、出来なかった発音が出るようになります。私は毎晩お風呂の中で「50音の発音しながら顔マッサージ・好きな歌一曲歌う・よく使う言葉を一通り言う」を今も続けています。

一番効果あるリハビリは、娘とのお喋りなんですけどねw

術後5年経過した現在、対面なら問題なく、電話なら細かい数字以外なら通じるようになりました。
せっかくなので電話もマスターしてやるぜ❗️と
研究する日々です。

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先日、娘と食事に行った時にいただいたハンバーグ❣️レタスも少し食べられました(^^)

喋る事も食べる事も、身体を動かす事も、前向きに生き抜くために必要な事だな〜とシミジミ感じているこの頃です。

私の体験や考えている事を発信していきたいです。 同じ病気を抱えている方やご家族に明るい話題をお伝えできるよう日々精進!がんばるぞ!