無邪気と残虐
・子供の頃の話なのだけど。
ぼくはムシムシ焼肉なる物をしていた。
今思えばすごく残酷なのだけど、無邪気だった。
ちなみにムシムシ焼肉について説明すると、
ライトの上にダンゴムシを載せるというやつだ、
ぼくの家はマンションで、
エントランスの前には木が植えてあった。
夜になると、その木を照らすようにライトが設置してあって、
結構な熱さをしていた。
植木鉢みたいなのもあって、その裏をみると、
ダンゴムシがよくいたので、材料はそこで調達した。
言葉だけみると、結構じゅうじゅう音が出てそうだけれど、
別にそんなことはなく、
ただビービー玉のようになった、ダンゴムシが、
ライトの上に転がっている。
ただ、それだけの図。
よく考えれば、全然焼肉ではないし、
食べるわけでもない。
だけど、それにムシムシ焼肉と命名していた。
やってる内容もそうだけれど、
ぼくとしては、ムシムシ焼肉って命名に無邪気を感じる。
きっと、単純に焼肉に飢えていたのか、
肉を焼く行為にエンタメ性を感じたのか、
なんで、ライトの上にダンゴムシを置くことで、
それが代行できると思ったのか。
発想に脱帽だ。
子供の頃は周りにもっとすごい残酷なやつもいた。
基本的に対虫ではあるのだけれど、
足をちぎったり、羽をちぎったり。
昔の話を聞けば、カエルに爆竹を入れたりみたいなのも、
聞いたことはある。
そう思うと、まだぼくは控えめだったな。
なんて思ったりするけれど、本質は何ら変わりない。
今もダンゴムシをみると思い出すし、
見なくても、思い出す。
ダンゴムシ、すまんかった。
ことあるごとに思い出すのは、何かこの体験に思うことがあるのだろう。
子供からずっと思い続けている、自分のトラウマなのかもしれない。
それとも、気付かなきゃいけないことがあるのかもしれない。
いつかこの思いが消化できればなぁと思うのです。
覗いていただき、ありがとうございます。
普通の焼肉は今も好きなままですね。
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