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もしアドラーが上司だったらを読んで

アドラー心理学といえばベストセラーの嫌われる勇気が有名。私は、大学時代、趣味で心理学を勉強していたけどその時は、アドラーには当たらなかった。嫌われる勇気は、すごくいい本だけどもう少し具体性が欲しかった。そこで今回紹介するのがもしアドラーが上司だったら、略してもしアド。

この本は、アドラー心理学を学んだ上司であるドラさんと主人公の若手営業部社員のリョウとのやり取りを通してアドラー心理学を学べるというもの物語形式になっており、非常に読みやすくなっている。以下、私がいいと思った項目について話していく。

できているところに注目しできていないところに注目しない。人間というのはとかくできていないことに注目しがち、この本では、日常の95%はできてると書かれており、こちらに注目するように書かれている。そうはいえども失敗は失敗で認めるということも書かれている。そして、そのうえでポジティブに捉える。

やりたいからやる、やりたくないならやらない。この話が一番今回私にとって響いた。やらされている仕事は一切なく、それをやらないともっと嫌なことがあるからやっているのだとか。本の中で親に行く大学を決められ行きたくない大学(国立大学)に行ったという例が書かれている。でも嫌なら親の力を借りずに自分で学費を工面して行きたい大学に行けばいいがそれが嫌だから親に従ったのではと書かれてある。人間は、やりたい(おそらく自分にとって最悪ではない選択のことを言っていると私は感じた)。こういう捉え方を教えてくれるのがこの本のポイントだと私は思う。

機能価値と存在価値の話、機能価値とは、学校で言えば成績、会社でいえば評価、など数値で表されるものの価値のことで存在価値とは、存在していることそのものの価値。この、本では、存在価値をしっかり認めて注目していこうということが大切だと書かれている。機能価値しか価値を見出せないと辛くなるらしい。確かに会社にいると仕事の評価だけがすべてのような感覚になってしまう。この考え方は、アドラー心理学には、ないが分かりやすくするために本書に書かれたもので、社会学者のフェルディナントテンニースの分類法です。存在価値を認めるというととはアドラー心理学では自分の欠点を認めありのままの自分を認める自己受容という言葉で表されています。

判断に迷ったら目先の共同体よりも、もっと大きな共同体を大切にする。たとえ会社にとってそれが利益になろうと社会的な倫理に反した場合は、それをやらないという選択をしよう。私の通っていた大学では、倫理教育を早い時期からやっており、そこらへんにつながる話だと感じた。

信用と信頼の違い、信用とは、相手の担保や実績という条件をもとに信じるかどうかを判断すること。また、信頼とは、無条件に相手を信じること。この本のキーワードは人にやさしく、仕事に厳しくで、会社という人格で信用システムを淡々と回し、一対一の人間としては、信頼システムで回すことが最適解とのこと。

この本は、実用的に書かれているので仕事、人生に悩んでいる人がいたら読んでみてほしい。少し、心が軽くなる感覚があります。

明日が少し明るくなります。