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ししおのつぼやき2 NY以外どうでもいい報道

6月8日のNHKニュースだったと思う。
カナダの大規模な森林火災でニューヨークの空が赤く染まり、健康被害を起こす可能性があるという。コロナのときのようにマスクをしている人も多かった。
しかし、健康だけでなく生活全般に直接大変な被害を受けているカナダの人たちのことはひとこともふれられていなかった。
まして、森林に住む動物たち、植物も含めた生態系の巨大な破壊についてはまったく頭にないようだった。
ニューヨークが世界的に重要な都市であることは誰も否定しないだろう。
でもニューヨークに被害がなければ、カナダの人たちが悲劇的な状態に陥り、莫大な数の動物が死に、生きていく環境を失ってしまうことに思いをはせなくていいのか。
と思ったのは、オーストラリアの大規模な森林火災ではコアラがユーカリの林を失って人間の生活圏に現れるというニュースを見たから。かわいい~とか言っている場合ではない。逃げられなかったり、逃げても生きる場を失ったコアラ以外の動物、そして植物のことは見えない。
ニューヨークの報道は、自然化された欧米中心主義が傲慢な人間中心主義とかかわっていることを暴露したわけである。
(なおここで述べたような報道の欠落を上記ニュースが後でフォローしていたかは知らない。仮にフォローしたところでニューヨークのことだけ伝えればいいというあのときの姿勢は取り消すことができない。)
ウクライナのダム破壊のニュースでは動物園が浸水したというのも気になってたまらない。ビーバーさんが写ってたがビーバーは水辺で生活する(自分でもダム作れるでしょ、ということは関係ない)からいいけど、逃げられなかったり泳げない動物はどうなったんだろう……戦争中に動物園で殺された動物のように、想像するだけでかわいそうで泣いてしまいそうだ。
森林火災は人為でなく自然現象という説もあるいっぽう、地球温暖化が原因だともいわれる。
動物は何も悪くない。
悪いのはすべて人間だ。ロシアかウクライナかにかかわりなく。
巨大メディアへのリテラシーが必要なのと同じくらい、人間の生存がすべての動物や植物との依存関係にあるという認識が必要である。情動(sentience)をもつ動物に苦痛を与えない。本来の生活の自由を拘束しない。そして私物化しない。
https://www.jaws.or.jp/welfare01/
コツメカワウソやビントロングのペット化がいくら違法でなくてもやめるべきだ。どれだけの影響力があるかわかっているのか。
念のため。ビントロングは絶滅危惧種(VU=vulnerable=危急種、絶滅のおそれが高い)なのだ。

動物たちのために普通の生活者は「保護」なんてできないが「保全」はできると動物園の飼育員さんが世界ビントロングの日のスポットガイドで言っていた。
これを書いているのが少しでも「保全」に益すればいいと思う。
こんなことしかできないから。
(6月15日/7月7日加筆)