前回のハンドレビュー続き

前回のハンドをvillain側で振り返ってみる。

(再掲)
0.4-1-1(ante), rake 10% 6bb cap
 スタックはやや深くて180bbくらい。
 6人テーブルのHJの3bbオープンにBTNからAcKcで3bet、COがコールしてHU。
 フロップKsJc3cでトップヒットナッツフラドロ。安いCBを打ってコールされる。ターンラグが落ちて中サイズ(50%)ベットにリレイズされてコール。
 リバーでc落ちてナッツフラッシュ。ドンクベットにリレイズオールイン、コール。
MP raises 3 BB, BTN raises 10 BB,, MP calls 10 BB
22.2 BB
♣︎J♠︎K♣︎3
MP checks, BTN raises 7 BB, MP calls
39. 2 BB
6♥︎
MP checks, BTN raises 20 BB, MP raises 60 BB, BTN calls
159.2 BB
T♣︎
MP raises 60 BB, BTN goes all-in 100BB, MP calls
359. 2 BB
MP A♠︎Q♥︎
BTN A♣︎K♣︎

 プリフロップは前回考察したように、HJオープンに対してBTNからの3betにはAQoはブラフ気味に4betを返すのが良さそうで、AQsはコール優勢だった。
 ただし、200bb持ちの設定ではAQoにある程度コール頻度が出てくる。そもそも、200bb持ちだとBTNの3betに対してHJのアクションはコール31%、レイズ17%となっていて、100bb持ちのコール13%、レイズ24%とかなり異なっている。普段100bb持ちのソリューションしかみていないので、これは意外だった。ただ、やはりオフスートハンドのコールは少なく、フォールドした方がプレイはしやすいように思う。
 以下、ひとまず100bbでの解析をベースにレビューしてみる。

フロップ

 KJ3ttのボードでpot33%CBに対してはポケットやスーコネは色なしではフォールドが普通のようだ。ガットショットは色があればAQoもAQsもレイズ優勢で、色なしはフォールド頻度があるようだ。オープンエンド(QTs)は色なしでもコール以上で、色ありはレイズ優勢。バリューレイズは33, JJ, KK, KX, JTs。100bb持ちではKヒットやJヒットでもレイズ頻度が高いのは意外。これは純粋なバリューレイズとは言えないだろうけれど。BTN側(アグレッサー)が広くCBを打つ分、これらのハンドで抵抗するのか。これによって弱いKヒットやナッツフラドロを含むフラドロはフォールド頻度が生まれるようだ。(多分ディープではフォールドにはならないと思うし、そうするとKヒットやJヒットのレイズ頻度は下がるのではないか。リレイズ時点でSPR<3程度でインプライドオッズが限られている分フラドロでのコールがしづらいのだろう。)

 このスポットではディフェンス側の均衡のアクションはコール17%に対してレイズ19%。しかし実戦でこれほどチェックレイズできている人は自分も含めてほとんどいなさそう。自分もそうだが、フロップでoopからCBにコールし、ターンやリバーでブラフが多くなる傾向はアミューズやローステークスのフラッシュゲームで打っているとよくみる気がする。ここは改善できるポイントであるように思う。
 一方、200bb持ちではレイズ頻度はかなり少ない。そもそもプリフロップでのレンジが異なるために単純な比較はできないが、相手のドローハンドのインプライドオッズが大きいことでプロテクションがメインのバリューレイズに対してフォールドさせられることが少なくなることが大きな要因なのではないか。この理屈だとレイズ側もドローハンドのインプライドオッズが大きくなるからドローハンドでのレイズが効くように感じるが、レイズ側はOOPであり、インプライドオッズが実現しずらいし、そもそもアクションはまずバリューありきに決定されるべきものだと思うので、レイズ頻度は低くなると考える。

ターン

 ターンはラグ。ターンでラグが落ちた場合には一般論としてアグレッサー側のレンジがポラライズされるという認識で、ドンク頻度は低い。ただし、フロップチェックレイズ過少の場合にはドンクで補うことはあるかもしれない。
 ディフェンス側に強いハンドはかなり少ない。ダブルバレルにコールできるのはヒット+強いドローくらいか。と思ったけど、BTNが高頻度でダブルバレルを打ってくる前提の元ではそれなりのハンドをディフェンスしなければいけない。Kヒットはコール以上で、6ヒットのヒットフラドロなどもコール以上。たりない分をフォールドと混合で補う感じ。つまりアグレッションが過多な相手に対してはAJ(セカンドヒットトップキッカー)やQT(オープンエンド)なども高い頻度でコールが許容されるかもしれない。
 バリュー寄りのレイズができるのは残していたJJ、K6sくらい。ここでのチェックレイズはブラフ過多になりそう。AQccのコンボドローもインディファレントとのこと。
 ターンではeff200bbとeff100bbでレイズ頻度はそれほど大きな違いはなかった。おそらくSPRが下がっていることでアクションの差が小さくなっているのではないか、と雑に考察する。

リバー
 
 リバーはフラドロ・ストドロが完成するカード。この段階では残りスタックはかなり少なく、ポット25%程度のベットは中途半端に思える。実戦では、こちらがオーバーフォールドするパッシブだと思われていて勝っているハンド(AKとかKK、JJ)にコールをもらうためのエクスプロイトだったのかもしれない。またここでは均衡では高頻度に10%ベットが出現するが、これはブロックベットってやつかもしれない。ブロックベットがなぜ有効か、どのように機能するのか理解できておらず、今後の課題としてみる。
 この中途半端なドンクベットに対してパッシブであるBTN側からレイズが返ってきたら、オッズ的に降りづらいところではあるもののフォールドする選択肢もあったのかもしれない。
 ちなみにEff200bbでみるとAQoはオールインが推奨されている。今回のようにBTNがナッツフラッシュを持っていない場合、AKやKK、JJまでインディファレントとなっていて、良いプレイであるようだ。リバーのTcはさまざまなドローが完成する、本来はオリジナル側に嫌なカードであったように思う。ここでVillainがどこでブラフを打つか?QTsやQJs,AKo(!)などとのこと。しかしこのラインにこれらのハンドを残しておくことは相当難しく、実戦的にはバリュー過多になりそうである。

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