インスタント神さま
何だかとても寂しい気分なので、文章を書いて気持ちを誤魔化そうとしている。
恋は、まだ続いている。終わる気配を見せない。
しかし、どう考えても報われない恋なので、いっそのこと彼を私の中の神さまにしてしまおうかと密かに考えている。
神さまにしてしまえば、相手とどうこうなりたいなど考えなくて済むし、相手がいるだけで全てが素晴らしいことになる。
ただ私は、私の神さまを信じて、神さまの言うことを全て受け入れて生きていけばいい。
そんな楽な生き方は他にないじゃないか?
嘘。
本当は神さまなんかにしたくないし、ひとりの人間として愛したい、接したい。
でも、彼に振り向いてもらうことなんて有り得ないし、今の関係以上になることなんてない。
私も人間だし、他の人間より少し貪欲にできているから、愛されてみたいと思ってしまう、もっと近づいてみたいと思ってしまう、触れてみたいと思ってしまう。
あなたのその美しい指に触れてもらえる人が羨ましい。その美しい左の薬指にはめられた指輪を永遠に見つからない場所に隠してしまいたい。
あなたと話して一緒に笑い合ったのは、現実で残るものは記憶だけで、私の脳内には幸せな記憶が濃く残されている。
でも、あなたにとって私との時間は、日常のほんの一瞬で、愛する人と暮らす家に帰ったら、私なんて最初から存在していなかったみたいに忘れ去られてしまうのでしょう。
こんなに好きなのに、どうしようもできない、どうにもならない。
好きになればなるほど、寂しさに潰されそうになる。苦しい苦しい助けて。神さまは救ってくれない。神さまは愛してくれない。
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