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君の居ない空気にも慣れた 思い出すことは殆どなくて、不意に夢で見てはまだ出てくるんだって思わず笑ったりする 君と見た景色が朧げになって、君とした会話も忘れていって、あの日のふたりはどこに行くのだろう あの日の私は、君の中にどう残っているのだろう

「もう会えない」がストンと腹に落ちてしまった、ああ、もう、バイバイなんだ、今この瞬間が、お別れなんだ

033 目を瞑る瞬間の光みたいな人だった

まだ、どこにもいかないでいて

あの人、きっと、可哀想な人だった、今の人みたいに余裕もなくて、今の人みたいに優しくもなくて、それでもタバコの匂いが染みついた指先は甘やかだった、そこにだけ愛があって、そこにしか愛がなくて、やっぱり、ひどく、可哀想な人だった

そんな話ではじまる、あの夏の日の記憶だ

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