それってどっちなのよ?ってなった話
ふぁーーー眠い!
今の私の気持ちです。
何せ、連日のように大学院で21:30頃まで学んでいるので、
眠くて仕方ないのです。
どれだけ抗っても眠くなるってことは、職員会議でもありませんか?
まるで、まぶたに10kgくらいのダンベルがついてるかのごとく・・・
あるいは、何か見えない巨大な力に操られているかのごとく・・・
と・に・か・く眠い!
悪気はないんですけどね。
なんだったら、やる気はたっぷりあるんですけどね。
これは、若手の皆さんなら誰しも経験したことがあるはず・・・
ん?もしかして、若手じゃない人も経験あるかな?
(私は講師の頃にウトウトして怒られた経験があります)
さて、今回紹介するのは、その逆パターンの職員会議です。
いわゆる「めちゃくちゃヒートアップするやつ」です。
最近は、職員会議もスムーズに進められるようになってきて
会議の際に、熱い議論になるということは減ってきました。
事前に根回し(根回しというと聞こえが悪いですが、提案に対して、反対しそうな人にあらかじめ確認をとっておくというような意味です)が行き届いているので、職員会議で大荒れのヒートアップということは少なくなってきているように思います。
今回紹介する記事では、そういう「議論がヒートアップする際にどのように考えたらよいのか」という思考の整理の方法と、その思考の整理を学級経営にいかす方法をお伝えします。
眠くないときに最後まで読んでいただけたら幸いです笑
とある職員会議にて
みなさんの学校にはイラストのような名札がありますか?
この名札、子どもたちの名前が一目でわかっていいのですが、服に穴が空いてしまうという欠点があります。
それゆえに、つけるのを嫌がる子がいます。
さて、「名札をつけていない子がいる」という現状に対して会議でどのように対応していくとよいかという話し合いがなされることになりました。
出てきた意見は以下の3つでした。
「朝の健康観察のときに、担任が必ずつけているかどうかのチェックをして、名札をつけることを徹底すればいい。」
「名札を付けるのが、嫌だという子がいるので、そもそも名札を無くせばよい。わかりやすく上靴に名前を書けばいいじゃないか。」
「なくすのはダメだ。教職員がもっと一丸となって、名札をつけていない子には、クラスや学年関係なく声をかけていき、名札をつける必要があるという意識を高めることが大切!」
さて、みなさんはどの意見に共感するでしょうか。
以下、その当時私が思ったことです。
1について。これはなかなかよい案ですよね。毎朝チェックをする。
ただね。朝って忙しいじゃないですか。お便り配ったり、健康観察したり・・・
そうこうしている内にチェックすることを忘れちゃうんですよね。
2について。これはいい案だな。そもそも名札がなくなれば、指導することが一つ減るので、子どもにとっても大人にとっても楽になるなぁ。上靴を見て確認できるのなら、何ら問題ないなぁ。
3について。教職員みんなが、自分のクラスという垣根を越えて、「名札をつけよう」と声をかけていく。一見すると大変そうだけど・・・もしかしたら、こうやって学校全体で声を掛け合うことは、「学校づくり」という視点で考えたら有効かもしれないなぁ。
はい。どうですか?
とことん思考するタイプの私はこうやっていつも迷ってしまいます。
(言い換えれば優柔不断なだけなんですが・・・)
ちなみに、私はある程度、自分の思考を整理してから喋りたいタイプなので、いつも出だしが遅れてしまいます。
まぁ、今ここで書いた文章を読み直しても①〜③は迷いますね。
なぜかというと・・・
1、2の意見は「仕組み」について語ったことなんですよね。
1は、朝来たら名札付ける→健康観察のときにチェックする
2は、名札をやめる→上靴で名前を確認する
これは、仕組みのことなので、一度仕組みが回りだすとうまくいきそうです。
いや、1に関してはそうとも言えないかもしれませんね。
1でうまくいくなら、そもそも議題に上がってこないはずですし。
3の意見は「心構え」について語ったことなんですよね。
教職員全員で、名札をつける意味(すぐに名前が確認できる。褒める時に名前を呼んで褒められる)を子どもたちに伝えていく。
大切なことですよね。
結論が出ました。
1、2 VS 3 です。
はい。ここでタイトルに戻ります。
大切なのは・・・「それってどっちなのよ?」
この2つはまるで、スキー板のごとく平行線!
互いに交わることがないのです。
なぜかって。
1、2は仕組みについて改善点を探しており
3は心構えについて説いているからです。
これはね。どっちが大切なの?
と問われたら、どちらも大切としか答えられないですね。
例えば、ラーメン屋でラーメンを売ることを考えてみましょう。
客の回転率を上げて売り上げを伸ばすために、
食券制度を使って食券を買ってもらう。
水はセルフでお客さんに入れてもらう。
これらは仕組みですよね。
一方で
店員さんが、「いらっしゃい!」と元気な声で接客する
笑顔で客を迎え入れる。
これらは心構えの部分ですよね。
「仕組み」も「心構え」もどちらも大切です。
どちらかが欠けたら「いい経営」はできません。
学級経営ではどちらが大切なの?
ラーメン屋の経営だけではなく、
この考えは学級経営でも応用できます。
例えば、「子どもたちが自分達で動くクラス」を目指しているとしましょう。
そんな時に、
仕組みとして「一人一役」というのを入れることがあります。
黒板を消す
窓を開ける
号令をかける
時間割を確認する
こういう役割を一人が一つ担ってやるというものです。
役割をこなすことができたら、「表にチェックを入れる」
そして、「1日の終わりにその表を確認する」
これら一連の流れは「仕組み」に当てはまりますよね。
一方で
「心構え」の部分も大切になってきます。
「先生がいるときにだけ、動けるクラスと先生がいない時も動けるクラスだとどっちがカッコいい?」
「先生がいないときにも動けるクラス!」
「これが、できるようになるとどんどん『自立』に近づいていくよ。小学校を卒業して、中学校、高校へと進学して・・・大人になっていくに連れて、自分で考えて自分で決めないといけないことは増えてきます。今は、その練習だと思って、先生がいなくても『クラスのために動く』『自分で考えて動く』っていうのができるようになってくるといいね。」
と、まぁこんな感じで語りかけていくわけです。
こういった語りで「心構え」の部分を育てていくわけです。
この「仕組み」と「心構え」はどちらも大切です。
いくら「仕組み」がよくても「心構え」がなかったら、子どもたちは「ただやらされているだけ」という感情になり、成長へつながりません。
いくら「心構え」を育てても「仕組み」がなかったら、一人が仕事をたくさんやってしまい、全く仕事をしない子が出てくることがあります。
というわけで、「仕組み」×「心構え」が大切というわけなのです。
これは拙著『おもしろすぎて子どもに会いたくなる学級経営図解』で紹介している考え方です。(本では「システム」×「マインド」という言葉で紹介しています)
学級を安定させるためには?
さて、若手の皆さんが興味があるのは、ここじゃないですかね。
色々な考え方がありますが、まずはわかりやすい「仕組み」を作っていきましょう。
AをしたらBをするという仕組みが出来上がっていたら、荒れる確率は減っていきます。
朝、教室に入ったら、友達と先生にあいさつをする
宿題を提出したら、チェックリストにチェックする
算数の問題を解き終えたら、自分で発展問題を解く
など、次にする行動がわかっていたら、荒れる確率が減ってきます。
逆に、次にする行動が不明瞭な状態だと子どもたちは荒れていくことがあります。
た・だ・し!
これは、あくまでも最低限のラインです。
なぜ、教室に入ってきたらあいさつをするのか。
なぜ、問題を解き終えたら、自分で発展問題を解き進めていくのか。
これらを子どもたちと一緒に考えなければ、プラスαの成長をすることは難しいでしょう。
意味がわからずに取り組んでいることは効果が低いからです。
みなさんも経験がありませんか?
ひたすらに漢字の練習ノートに漢字を書くという宿題。
果たして意味があるのでしょうか。
意味があるとしても、それはどの子にとっても一律でよいのでしょうか。
もっと効率的な方法はないのでしょうか。
宿題一つとっても、「なぜそれをやるのか」「どういう力をつけたいのか」ということを考えないとなかなか効果は出てこないと思います。
というわけで、余裕が出てきたら、子どもたちと一緒に「なぜやるか」についても考えていってみてください。
それが子どもたちの「心構え」をつくることになります。
他に、どんなシステムがあるの?
どうやってマインドを醸成させていけばいいの?って思った方は
本屋で『おもしろすぎて子どもに会いたくなる学級経営図解』をチラ見してみてくだされ。
最後に、いつものやつのお願いです。
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