9年待った、神話が終わる。
2021年3月8日。
もう9年も待っていたらしい。
『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』がついに公開3日前まで迫っている。
この記事は、エヴァンゲリオンシリーズを全く知らない、私と同世代(22、23歳前後)に、ワタクシの現在の興奮を共有し、かつエヴァンゲリオンという伝説の終わりに共に熱狂してほしいという思いから書かれている。
かつ、この記事は筆者の完全な独断と偏見から強引に解釈しているところも多数見受けられます。暖かく見守っていただけたら幸いです。異論は認めません
そもそもエヴァってなんだい
こんな稚拙な文章でかつ限られた範囲でエヴァを説明することは不可能、かつ大変無礼なことを承知の上で、
個人的な解釈で超強引に簡潔にエヴァについて説明させてもらいたい。
そもそもエヴァンゲリオンとは、大災害「セカンドインパクト」が起きた世界(2015年)を舞台に、巨大な汎用人型決戦兵器「エヴァンゲリオン」のパイロットとなった14歳の少年少女たちと、第3新東京市に襲来する謎の敵「使徒」との戦いを描く、(Wikipedia引用)日本を代表するアニメ。①アニメシリーズと②旧劇場版、③新劇場版に大きく分かれています。
①アニメシリーズ『新世紀エヴァンゲリオン』
アニメといっても漫画原作ありきのアニメ化作品というものではなく、純粋な映像作品で、27年前の1995年にアニメシリーズ『新世紀エヴァンゲリオン』が放映された。
この時のオープニング、『残酷な天使のテーゼ』はいまだカラオケの人気曲ですよね。
ただ、このアニメシリーズの25話、26話(最終回)が大変な議論を巻き起こし、爆炎上する。
いや、ここまでずっと世界が化物に襲われてマジでヤバくてエヴァがドツいてバーンバーン!!みたいな感じだったんですよ。で突然の主人公のモノローグが永遠に続くという鬼のド鬱展開で半ば強引に終わるという展開で、みんなパニックになったということでした。
②旧劇場版『Air/まごころを、君に』
そこから庵野監督(原作兼監督)が
「あ、アニメ版のラスト25話と26話、自分的にもしっくりこやんから作り直すわw」
ということで作成したのが、いわゆる『旧』劇場版の「Air(25話のやり直し)」と「まごころを、君に(26話のやり直し)」だった。
でもこっれがしんどかったんですよ!!!!!誰がどうみても鬼畜レベルのバッドエンド。いたたまれないわーーーーみたいな空気感で終わったのが、『旧』劇場版でした。
③新劇場版『序』『破』『Q』、そして『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』
お気づきでしょうか。『旧』劇場版、という言葉に。そう、『旧』があるからには、『新』があるんですよ!!物わかりがいいですねお姉さん
2006年に庵野大先生はおっしゃいました、
「10年前ヌメっとした感じで終わらせてもうたから、エヴァをええ感じにもっかい作り直したるで!!」
と。これが、2007年から始まる『新』劇場版シリーズです。
10年以上前の伝説的アニメ作品がキレッキレの超高解像度クオリティでストーリーを「再構築」する、というコンセプトで始まったこの新劇場版シリーズは、当初1、2年ごとに公開予定だったんですが、
2007年 第1作『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』が公開
有難うございます。
2009年 第2作『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』が公開
あ、ちょっと作成に時間かかったのかな?いやいや2年くらい待ちますよマジで秒
あれ?
2012年 第3作『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』が公開(筆者(14歳)はここから見出します)
3年かかったかーーーいやーまあ秒でしょ!!秒秒!w
ついに次回完結か!!いつやろ、2、3年ごかな?w超ぱのシミ!w
ん?
ほお
あーなるほどね、オッケおっけw
ファッ??
2021年 完結作『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』が公開
なんと、9年も待ちぼうけを喰らったのです。
初めて14歳でエヴァを見た思春期少年ももう今年で23歳になろうとしており、スタバでニヤニヤしながらMacのキーボードをバコバコ叩いているんですよ。歴史を感じる
いや、ほんまにもはや公開が幻、都市伝説化しかけてましたよ
その9年の沈黙から満を辞して完結を迎えるエヴァ、興奮せずにはいられないですよね???????わかります???????????
何が面白いのか
ここまでいかにエヴァという伝説がクライマックスを迎えつつあるかについて鼻息荒く説明させてもらいましたが、結局何がおもろいねん、なんの話やねん、とガチギレしている読者の皆さん、落ち着いてください。説明しますから
この世には星の数ほどエヴァファンがいて、その好きな理由から解釈まで本当にたくさんのものがあるんですが、非難を承知でここで私個人が思う面白さを一言で纏めるなら、
『世界観作りが徹底されている、神話のような物語だから』
でしょう。
神話、皆さんは好きですか?僕はほどほどです
北欧神話、日本神話など、そういうものにちょっとでも触れたことがある人ならわかるかもなんですが、
神話の構成要素って、
・独自の世界観が構築されている
・様々な解釈があり、様々に楽しまれてきている
・数世紀、数千年にわたって語り継がれている
だと思うんですね。
エヴァに関しては、そもそも、もう設定がぶっとんでる。
え、まず2000年に大災害セカンドインパクトで人類の半数死滅してるんですか!?w大好物ディストピア世界じゃないですか!!!しかも箱根が第三新東京市とかいう超要塞都市になってますやんw
(Explanation of EVANGELION:1.01より)
で、来る敵来る敵が総じてキショすぎん!????w「使徒」??名前DQNすぎるw
いちいち、発進シーンや街の変形シーンが事細かに描いてくれるんですよ。それがもう男心をくすぐる。オスは重厚感のあるゴツいものがガチャガチャ動いてるのに関しては、永遠に見てられる生き物なんです。
また、魂と肉体の二元論や「ATフィールド」なる人間の心の壁、「裏死海文書」「ロンギヌスの槍」など、聖書からインスパイアされた厨二病心をくすぐるアイテムの数々。全く違う世界に生きる人々の人生を見せられているようで、どっぷり浸かってしまえます。
そんなエヴァの世界独自のルールや世界観を、視聴者と主人公に対して容赦のない説明放棄で混乱させてくれます。
主人公シンジくんは作中「意味がわからないよ!!」「何をいってるかわからないよ!!」と連呼するんですが、それもそのはず、完全同意です。視聴者の思いをよく代弁してくれた、となるシーンが本当に多いです。
でもだからこそ、エヴァの世界観に浸りながら、あのシーンやあのセリフについて沢山の考察が生まれるんですね。自分もエヴァの世界の、第三新東京市の住民だと自己暗示しながら、あれやこれやと考えることが、エヴァの楽しみ方の大きな特徴の一つ。
解説動画などもごまんとあります
そんなエヴァの世界観が、アニメ版放映から27年もたった今の今まで完璧な結論も提示されないまま、語り語られきて、今に至るという歴史。
まさに神話なんではないでしょうか。
個人的な思い出
僕が初めてエヴァに触れたのは、2012年の第3作『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』公開前。
中学生になり、パソコンがある程度触れるようになったところで、初期YouTubeで見ました。タイミングもタイミングで、当時の自分が中学二年生の「14歳」だったんですね〜〜〜
ピンときてない人がほとんどだと思いますが、エヴァの世界において「14歳」ってすごい重要なキーワードなんですよ。というのも、エヴァに乗る子供たちも、全員14歳なんです。主人公シンジくんの14歳ならではの思春期的な葛藤や家族や周りとの確執などを見て、
「シンジは俺や!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!僕はエヴァンゲリオン初号機パイロットです!!!!!!!!発進ん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
とか思ってました。今思えば引き摺り回し揚げおろしてやりたいくらい恥ずかしい
その時から、9年の月日が流れ、僕自身も様々な人と出会い、いろんな国や場所を渡り歩き、この世界も、自分の世界観や価値観も大きく変貌したようです。あの頃の興奮をちょっと思い出しながらも、自分も9年経ってこんなに見方が変わったのか、とノスタルジックになります。
どんな終わり方を見せてくれるんだろう。自分はそれを、どう受け止めるんだろう。そして、人にどうその感動を伝えるんだろう。
クライマックス、楽しみましょう。
さらば、全てのエヴァンゲリオン。