リブリオエッセイ「好奇心は創造の種」
高校生のとき、美術の資料集に男性便器の写真がデンと載っていて「なんじゃこりゃ?」と思ったのを覚えている。残念ながら、当時の私はそれ以上深く考えなかった。
それが初の現代アートとされる『泉』(1917年)の写真であり、現代アートが「美しさにこだわらない」とは最近知ったことだ。作品が発表された当時、マルセル・デュシャンによって『泉(実物の男性便器)』を持ち込まれ、美術展の開催者が困惑したのも無理はない。
現代アートが目指すのは、鑑賞する人に新しい視点を示し、驚きや発見、共感を