2001年発行の「ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の原則」に偉大な企業の法則を学ぶ
初めまして!siro_masaruです。
知ることで、人生はもっと楽しくなる!
今回はジム・コリンズ著「ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の原則」2001年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。
この記事で言いたいこと
15年以上継続して、市場平均の3倍を上回る株式運用成績をあげた企業を「偉大な企業」と表現した。
前作の『ビジョナリー・カンパニー 時代を超える生存の原則』はこんな評価を受けていた。
「とても素晴らしいが、当社は偉大ではないよ…。どうすればいい?」
この指摘を受けて、コリンズは『ビジョナリー・カンパニー』の前編として『ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の原則』を出版した。
この背景もあり、ビジョナリー・カンパニー2の方が取り上げられやすい。
人によっては前作から読んだ方がわかりやすかったり、そうでもなかったりする。
とりあえず、両方読んでおけばいいだろう。
本書は11社の共通点。
他の比較対象企業と違う点。
このふたつを探し、良い企業が偉大な企業になる方法をまとめた。
ちなみに11社は、アボット、サーキット・シティ、ファニーメイ、ジレット、キンバリー・クラーク、クローガー、ニューコア、フィリップ・モリス、ピットニ―・ボウズ、ウォルグリーンズ、ウェルズ・ファーゴである。
「飛躍した企業11社」のその後を見ると、出版時点では優秀であったが、その後は…という企業もいるので「どんなすばらしい企業でも、将来はわからない」ものである。
とはいえ、『ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則』は、ニューヨーク・タイムズ誌、ウォール・ストリート・ジャーナル誌、ビジネス・ウィーク誌のベストセラー・リストに長期にわたって留まり、ハードカバー版の販売は250万部を上回り、32の言語に翻訳された名著であることは事実。
現在でも、参考になる点は多い。
平均的企業が大きく飛躍する法則は5つ。
❶ 第5水準のリーダーシップ
❷人材を厳選し、目的地を後から決める
❸厳しい現実を直視する
❹ハリネズミの戦略
❺はずみ車を回し続ける
後半、印象的な比喩を使う点も特徴である。
これらを順に紹介していこう。
ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の原則
1. 第5水準のリーダーシップとは
謙虚さと強い意志を併せ持つ経営者こそが企業を偉大に導く。
「第5水準の経営者」は一見、謙虚でおとなしく人前に出たがらないが、強い意志を持ち、大胆な判断をする。
彼らは「成功は偶然・幸運のおかげ」「失敗は自分の責任」と考える。
つまり成功すると外部要因を探し、見つからない時は「幸運」と考える。
本書でいう「水準」は、個人、管理者、経営者の順で評価段階が変わる。
⇒ 指示よりも内面の強い決意が大切。
⇒ 謙虚さ+不屈の精神=第5水準である。
参考資料
ハーバード·ビジネス·レビュー編集部(ビル·ジョージ)『オーセンティック・リーダーシップ』
参考資料
藤本シゲユキ著『幸福のための人間のレベル論』
2. 人材を厳選し、目的地を後から決める
本書では、不適切な人は降ろし、適切な人だけバスに乗せるという表現をしている。
まず自社の方針に合う適切な人だけを選んでバスに乗せ、不適切な人は降ろし、その後にバスが向かう目的地を決めていると語る。
「何をすべきか」で人を雇うと、目的地が変われば辞めてしまう人もいる。
逆に「誰を選ぶか」から始めると、いいことが多い。
気に入った人たち同士なら目的地変更は簡単。
環境が変わってもすぐ対応できる。
⇒ 誰を選ぶかが重要。
⇒ 11社には社員を厳選採用し、仕事熱心な社員は働きやすくし、怠惰な社員はバスから降ろす仕組みがある。
⇒ 「適切な人材が宝」
最初に仕事を決め、必要な人材を採用するのが米国流と思われがちだが、11社は逆だった。
方針より先に優秀な人材を揃えることで、環境変化にも柔軟に対応できる組織文化が育つ。
参考資料
ベン・ホロウィッツ著『HARD THINGS』
3. 厳しい現実を直視する
厳しい基準で集めた社員が問題を本音で議論できる場をつくる。
カリスマ的なリーダーは、常に意識しないと現実を把握できなくなる。
一方で、11社は厳しい現実を直視し耳を傾け、対策を取る社風をつくっていることが分かった。
⇒ 意見を封じ込めない。
⇒ 失敗についても「何が悪かったか」を重視。
⇒ そして犯人捜しはしない。
リーダーは報告しにくい現場の課題を能動的に引き出し、解決に向けて全員で考える必要がある。
参考資料
エイミー·C·エドモンドソン著『恐れのない組織』
参考資料
アダム・グラント著『GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代』
11社すべてが社員と経営幹部が意識的に話し合う機会をつくり、最善の答えを探し続けている。
社員や経営幹部が激しく議論し、失敗についても「何が悪かったか」を徹底的に究明する。
ただし失敗の責任者が誰なのかは話題にしない。
犯人捜しは意味がないと理解しているからだ。
4. ハリネズミの戦略を打ち立てる
これはハリネズミと狐のたとえから来ている。
古代ギリシャの寓話に「狐はたくさんのことを知っているが、針鼠はたったひとつ、肝心要(かんじんかなめ)の点を知っている」というものがあることに由来する。
ハリネズミは鈍く短足。
キツネは俊敏で頭がいい。
しかし勝つのは常にハリネズミと語る。
11社は1つだけの単純明快な「ハリネズミの戦略」をつくり、実行し続け、それ以外は一切やらないと語る。
もしかしたら、何度か見たことがあるかもしれない。
⇒ 3つの円が重なるポイントで勝負する。
⇒ 単純明快な方針で迷いを消す。
⇒ これがハリネズミの戦略である。
やるべき領域を一点(肝心要の点)に絞りこむことで、強みを徹底的に伸ばし組織を一丸にする効果がある。
あらためて、まとめると…。
❶第5水準の経営者が継続性ある規律の文化をつくる。
❷最初に規律ある人材を集め、規律ある考え方を確立する。
❸それは行動の枠組みを決め、各自に目標達成の責任を持たせること。
❹この枠組みの中では自由にできることの2つ。
❺「ハリネズミの戦略」でやるべき領域をに絞りこむ。
そしてこれらを続けることが、次の❻弾み車を回し続けることにつながる。
5. 弾み車を回し続ける
小さな前進を積み重ねて大きな飛躍を生む。
コリンズは重い弾み車にたとえている。
最初はビクともしないが、必死に押すと少し動く。
押し続けると徐々に回転速度が上がり勢いが付く。
ある段階を突破して重さが逆に有利に働いて止まらなくなり、しまいには飛ぶように回って誰も止められなくなる。
⇒ 継続が力になる。
アンジェラ・ダックワース「やり抜く力 GRIT」のように才能だけでなく、努力が成果を生むことは共通点として示されている。
残念ながら、決定的瞬間は存在しない。
しかし、同じ方向に押し続ければ、ある段階で加速が止まらなくなるのだ。
全ては積み重ねによって始まる。
例えば…。
アマゾン創業者のジェフ・ベゾスが飲食店の紙ナプキンに描いたとされる伝説のループ図が近い…というよりもこの本が基礎概念になったと思う。
内側のループを回すことで得られた「成長」を原資として絶えずインフラ整備に投資し、外側のループを回すことが描かれている。
小さな前進を積み重ねて大きな飛躍を生む、弾み車と原理は同じである。
デジタルの世界になっても「弾み車」は有効である。
まとめ
⇒ 謙虚かつ愚直にハリネズミの戦略を続ければ偉大になれる。
知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!😆