伝説のビジネス書「エクセレント・カンパニー」に学ぶ:成功する企業が持つ8つの特質
初めまして!siro_masaruです。
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今回はトム・ピーターズ/ロバート・ウォータマン著「エクセレント・カンパニー」1983年発行をつまみ食いします。
まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。
この記事で言いたいこと
アメリカはベトナム戦争の挫折をきっかけに、70~80年代に入ると日米関係は政治、経済の両面で良くなかった。
そして、1982年。
米国企業は優秀な日本企業に追い込まれ低迷し、不況にあえいでいたが、そんな中でも超優良企業はあった。
冒頭では、ゴルフにたとえられている。
著者たちはマッキンゼーのコンサルタント。
米国超優良企業75社を選び面談調査、超優良企業は平凡な人たちから非凡な力を引き出していることを明らかにした。
本書に取り上げられている会社は現在でも存在しているものが多い。
例えば、ボーイング、ウォルマート、3M(スリーエム)、HP(ヒューレット・パッカード)、P&G(プロクター・アンド・ギャンブル)等
著者はこれらを8つの特性としてまとめている。
❶行動の重視
❷顧客に密着して学ぶ
❸自主性と起業家精神
❹人を通じての生産性向上
❺価値観に基づく実践
❻基軸から離れず、分からないことには手を出さない
❼シンプルな組織・適正な社員数
❽厳しさと、穏やかな面も同時に持つ
これらの特性を持つのが、エクセレント・カンパニーである。
本書は超優良企業がどう考え、行動しているかを解き明かし、米国企業の経営を大きく変えた一冊である。
エクセレント・カンパニー 8つの特性
❶超優良企業の行動重視
「大怪我しない失敗を最速で繰り返せ。」とリベシティでは言われている。
現代に通じる「ベストフォーム」(理想形)は既にこの本の中で書かれている。
超優良企業は「やってみよ! ダメなら直せ! 試してみよ!」を実践し、多くの試行を通じて学習を重ねていく。
そして、人数は7人前後が良い。
これは、スティーブン・P・ロビンス著『新版 組織行動のマネジメント』2009年発行でも証明されている。
リンゲルマン効果:参加人数の増加に伴って一人一人の課題や業務の遂行量が減少する現象のこと。社会的手抜き、フリーライダー現象とも呼ばれる。
多すぎれば、誰のせいでもない能力低下が起こる。
しかし、少なすぎれば業務はできない。
そんな絶妙なラインが7人前後である。
⇒ まずは迅速な行動と実験が成功の鍵。
失敗を恐れず、迅速に行動する姿勢が成長を支えるのは黄金の法則である。
❷顧客から学ぶ姿勢
超優良企業は目先の収益にとらわれず、徹底的に顧客志向である。
とにかく「収益は顧客志向の結果」と考え、徹底的にユーザーに耳を傾けていた。
参考資料
ルイス・V・ガースナー『巨象も踊る』
ハワード·シュルツ著『スターバックス再生物語』
⇒ 徹底的な顧客志向が収益を生む。
❸自主性と起業家精神の育成
⇒ 社員の自主性が組織の力になる。
失敗も成長の一部と捉え、革新を推進する。
参考資料
ハロルド・ジェニーン著『プロフェッショナルマネジャー』
参考資料
エイミー·C·エドモンドソンの『恐れのない組織』
社員に「何をやるか」「どうやるか」の自主性を持たせ、挑戦を奨励することが、多くのリーダーを育てるコツである。
❹人を通じての生産性向上
人がアイデアを生む最大の資産と考えている。
人を動かす秘訣はただ1つ。信頼することだと語る。
⇒ 信頼が人材の力を引き出す。
参考資料
ダニエル・ゴールマン著『EQ こころの知能指数』
❺価値観に基づいた実践
実際に手を動かし実践する。
著者が万能薬的なアドバイスとして提案している言葉がある。
⇒ 核となる信条が一貫性を保つ。
超優良企業は明確な価値観を持ち、それに基づいて行動している。
首尾一貫した実践が組織全体の統一感を生み出し、安定した成長を支える。
参考資料
リード・ヘイスティングス、エリン・メイヤー共著の『NO RULES 世界一『自由』な会社、NETFLIX』
❻基軸から離れない経営
分からないことには手を出さない。
超優良企業は、自分が分からないことには両足を突っ込まない。
ここでいう”朗報”は、基本の分野を活かすために事業を手放すことについて必ずしも悪手ではないことの意味で使われている。
⇒ 分野を絞り、基本に忠実。
新たな挑戦をする際も、基本から逸脱せず適応する。
原則なき多角化を避け、確実な成長を目指す姿勢が成功をもたらす。
❼常にすっきりと単純化
会社が大きくなると複雑になり、本社が肥大化し、管理作業が増える。
⇒ シンプルイズベスト。
これが組織の複雑化を防ぐ努力。
組織を単純に保ち、管理の効率化を図っている。
少人数の本社で流動的な組織運営を行い、柔軟な対応を可能にしている。
橘玲著『働き方2.0 vs 4.0 不条理な会社人生から自由になれる』では、市場を支配できる巨大企業が、なぜすべてを自分たちで行なわないのか?という問いに対してこのような回答をしている。
⇒「あらゆる取引にはコストがかかるから」
(主なコストは検索・交渉・契約・監視)
これが個人やフリーランスで狙うべき場所となると語っている。
参考資料
アルフレッド・D・チャンドラー・ジュニア著『組織は戦略に従う』
組織の複雑化に対応するため事業部ごとで意志決定をできるように変化していった。
❽厳しさと穏やかさの両立
これらの取り組みを実践することで、厳格に管理しながら、一方で社員が自主性と起業家精神を発揮できるような環境を維持している。
最後の特性は今までに述べたことの総まとめであると語っている。
⇒ 大事なのは厳格な管理と自主性のバランス。
厳しく管理しつつ、社員が自主的に行動できる環境を整えている。
基本的な考え方を守りながら、柔軟な対応も可能にしている傾向にある。
参考資料
『貞観政要(じょうがんせいよう)』
1400年前に中国で書かれた帝王学の名著でも、リーダーの振る舞いが部下の振る舞いを決め、組織に影響を与える。と語る。
ゴマすりだらけの組織は徐々に腐っていく。
歴史ではまったく同じことは起こらない。
しかし、歴史を知れば、似た出来事に見舞われたときでもうまく対応できる。
この8つの特性、黄金の原理、原則の共通点を持ってこそ「超優良企業(エクセレントカンパニー)」と成長していく。
まとめ
⇒ 基本を守り、柔軟に対応すること。
ちょ~蛇足
テレビ東京系列で放送されている番組「知られざるガリバー~エクセレントカンパニーファイル~」のタイトルの元ネタでもある。
TVer(ティーバー)でも見れる。
日本には世界に誇る、知る人ぞ知る企業を数多く教えてくれる。
自分の良く知らない分野や業種の理解に役立つぞ。
知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!😆