私は、ある日曜日の昼下がり、今年流行の夏服を買いに 行くでもなく。駅前のカフェでいつも通りに珈琲を 運ぶでもなく。 ・・・・見知らぬ病院の入り口前にいた。 あれから、日曜日でも空いている整形外科を見つけた私 は、早速そこに電話した。 午前中は人が多くて既に受付終了していた為、 午後からの診察には必ず間に合うべく、 早めに来ていたのだ。 30分前だったが、そこには既に5,6人程の人が 並んでいた。 幸い屋根の下で日陰になっているのと、海が近くて 程よい海風が入るので、梅雨明けの
交差しない世界線の人と交わる瞬間がある。 それは、普段は交わらない人なので、 ずっとは続かない。 その交差を「幸福」と捉えるのか、 取り残された「苦しみ」と捉えるのか。 それは--その人次第だ・・・。 ある朝、私は、感じたことのない 痛みを感じることとなる。 私は、青空 紗良。34歳主婦で、 カフェで普段通り目覚めた日曜日。 そのままリビングへ向かおうと、 ベッドを降りた瞬間だった・・。 「痛い!?!」 声にならない声を発し、おずおずと座り込む。 「え・・・?」 何が起
自分じゃない自分。 そんな人になってたんだ。 周りの人が笑顔かな? 嫌な思いしていないかな? 絶対的に優先すべきことだから。 そんな風に思ってた。 でもね。本当の自分はね。 いなくなった訳じゃなくって。 消えちゃった訳でもなくって。 ずっと、「気づいて!」って 隣にいたんだね。 気がついたんだ、夕方。 遅いかもだけど。 今更かもだけど。 本当の自分、戻ってこう。 自分じゃない自分。 それはね。 もう飽きちゃったんだ。 慣れないけどね。 種
上手くいかなくて笑える。 前もって、シュミレーション。 君の言うことを想定。 どう返すかを練習。 そして玉砕・・。 前はね。もっと上手くいったんだ。 2人だけの笑いのツボ。 伝えたいことが一緒。 君だけのタイミング。 僕だけが受け取る。 いつから。 どうして。 何が原因? 少しずつのズレ。 少しずつだけど。 気付いたら、掴めない。 今となっては、戻れない。 そんな今日を涙で流す。 外は晴れでも。 泣いていいんだ。 みんなが笑顔でも。 泣いていいんだ。 笑えるまで。
今日のキラキラ。 明日のワクワク。 誰でもない。 私のため。 朝のグルーヴ。 夜のメロディ。 人じゃなく。 私のもの。 そわそわ。 そろそろ。 聴こえる予感。 私だから。 受け取れる。 祝福。色彩。 見えてくる。 私の道に。 確かにあるもの。
昨日の欠片。 昨日の前提。 昨日の真実。 突然、崩れてしまったな。 昨日までの笑顔。 昨日までの親密。 昨日までの信頼。 なぜか、なくなってしまったな。 けれど。 それで知る。 これまでの軌跡。 だから。 これからできる。 新しい路。 少し泣いたら。 また開いてこう。 きっと、大丈夫。 今日も、明日も。 始めていける。 昨日の欠片から。 涙の夜から。
ふと目が覚めた。 暁の雨音に。 でも。 まだひと眠りできるよ、と。 鳴らないアラームが教えてくれた。 こちらの世界に潜っていよう。 このまま。 今日も明日も。 だけど。 今日も明日も。 入っていかなくちゃ。 現実世界。 そこで登場人物にならなくちゃ。 暁の時間を続けたい。 けれど。 暁と現実。 両方ある故理解する。 どちらもある故流れてく。 今日は雨だけど。 日が一瞬でも差すかもな。 今日が雨だけど。 誰か傘に入れてくれるかも。 今
花開きたる蕾、いと美し。 まだ、完成じゃないよ。 まだ、完璧じゃないよ。 だけど、それに近づくとき。 いや、近づけなくとも。 1つ、また1つと。 可能な限り、いっぱいに。 心、ゆくゆくまでに。 そうした時。 蕾は、輝く。 光を、投げかける。 または。 光を、問いかける。 花開きたる蕾、いと美し。 蕾は開けなくても。 蕾が開けても。 ただ、その瞬間が。 ただ、それだけで。 それまでの葛藤を忘れ。 すーっと、一筋の。 未来が見えるから。 これでいいと、分かるから
今日も。 よるが来た。 漆黒で。 延々と長い。 まるで自分の心みたい。 薄暗く。 よく見えないよ。 自分の輪郭。 いつから見えない? よるをやり過ごすんだ。 少しの楽観が入る隙間を。 少しの隙間があれば。 今夜はやり過ごせる。 だから。無理にでも。 色彩の写真。 あの場所の匂い。 笑顔だった頃の。 あの人の姿・・。 少しだけ先を見る。 随分先は分からない。 明日だけ。明日だけで良い。 そうして何夜もやり過ごす。 もしかしたら。 み
ぽわん、と波紋が広がる。 一重、二重と和が広がってく。 小さな小さなひと雫。 飛び込んだ水面。 「静」の場に異変が起きる。 「同」の場に異質が混じる。 その後はちょっと違う「静」や「同」に 戻ってく。 波紋の一瞬。 この世のものでないような。 微かで頼りなく。 それでいて確実に「動」。 そんな一瞬を。 一体誰が見ているのだろう。 見てもらえなくとも。 気づいてもらえなくとも。 確実に「動」。 たった1滴の雫だけれど。 違いを遺してく。 初
ひらり。はらり。 花びら達が空へ舞う。 どこに行けども。どこに吹かれども。 しなやかに。たおやかに。 あなたの心に色を灯す。 花散りしとも。 誰かの心に散りゆけば。 ささやかなれど、色が灯る。 散った場所で、また咲けたなら。 花も嬉し。 ひらり。はらり。
昔むかし。 よく行ってた浜辺。 何にも変わってないんだな。 キシキシと砂を踏む感触。 いっつも香る塩っぽさ。 遠く遠くまで繋がる透明な空。 やたらと元気な太陽。 何も。変わらない。 けどさ。僕だけ。 僕だけ、変わったんだよな。 純度満点な底抜けの笑顔。 何か知らないけどあった希望。未来。 ずっとあるはずの安心感。環境。 何時かさ。 いつの間にか。 なくなるなんてさ。 曖昧になるなんてさ。 聞いてないんだよね。 …でもさ。 変わってないもの
あなたの何かが、損なわれた、と思っても。 大丈夫。何も。 損なわれていません。 高く跳びたいのに、跳べず。 ずーっと同じ場所にいる。 そんな時でも。大丈夫。何も。 損なわれていません。 善人でありたいのに、嘘をついた時。 人や自分との約束を守れなかった時。 正しいことより自己保身を優先しちゃった時。 足りてなくて何か焦ってしまう時。 とにかく自分が嫌になった時。 でもね、でも、大丈夫。それでも、何も。 損なわれていません。本当に。 ぐるぐるぐるぐる
混沌としたある朝。 ふわり、と。 綿毛が飛んだ。 黄色の花びらを捨て。 綿毛となって、飛んだ。 白の世界に綿毛が飛んだ。 綿毛は、そのままそんな世界に吸い込まれていった。 緑の世界に綿毛が飛んだ。 とてもよく馴染み、やがて調和していった。 赤の世界に綿毛が飛んだ。 燃やされるような感覚で、綿毛はうまく飛べなかった。 黒の世界に綿毛が飛んだ。 そこではなぜか、「希望」と呼ばれた。 「輝く希望」と。 綿毛は「希望」を今より飛ばしたいと思った。 だから、
予定調和はいらない。 決められた結果などない。 未来を見れる。 そんな… 新しい日。 今までとは違って。 周りを気にして。 怯えてなどいない。 新しい私。 決められたルーティーン。 必要などない。 まだ。 いくらでも描こう。 新しい年。 そう。 今からは。 予定調和はいらない。 必要ない。 なぜならば。 自由と責任で。 如何様にも。 何色にも。 塗っていけるから。
誰でも持ってる才能の種。 よく聞くフレーズ。 正直なとこ、意味不明。 ただね。そんなことでも。 信じたくなる。そんな夜。 なりたかったもの。 1つ1つ。 思い出してはつぶしてく。 そんなこともあったね、と。 けど…けど、まだ。 その種あるのかな。 でも…でも、ただ。 希望的観測かな。 何かの拍子にね。 思い出したりするのなら。 持ってるんだね。 その種を。 育てていけば蕾。 蕾育てれば花。 苦しい種が。蕾が。 どうか、今こそ。 花開け