いい旅・謎気分
今年の夏、私は9日間のお休みをいただきました
すでに仕事が始まってしまったため端的に言うと“消えたい”のですが、楽しかった一泊二日旅行の思い出をnoteに記して「消えちゃいたさ」を加速させ自分を徹底的に追い詰めたいと思います
~ハチャメチャ! 真夏の大洗の旅~
我々の旅の行き先は茨城県にあります「大洗」という地です
夏休みがない彼氏が死にそうな顔で「新鮮な魚介が食べたい…」と言うので、東京から割と近場かつ、そこまで混雑していなさそうな漁港がある町ということで「大洗」がヒットしたのです
<1日目> 19:30
上野より『JR特急ときわ』に乗車
彼氏の仕事終わりに合わせ、19:30発のJR特急ときわに乗車。現地に着くのは夜遅くなるため車内で宴をすることにしました。私は「50品目バラエティ弁当」という健康的な駅弁とハイボールロング缶を購入したところ彼から「その50品目を全てランク付けしろ」という嘘みたいな無茶ぶりが来ましたがなんとか乗り切りました(1位は鮭)
※筆者のフォトパワー(写真を取る能力)が0のため、この記事は下手すぎる写真で進行していきますことをあらかじめご了承下さい
21:15
大洗着、タクシーにてホテルへ向かう
JR水戸駅で下車し、ローカル線「鹿島臨海鉄道」に乗り換えて3駅、大洗駅に到着
駅前にはかわいい熊のイラストが描かれたタクシーが停車していました。全然知らなかったけど大洗はアニメの聖地らしくアニメキャラクターが町のそこかしこにいました。熊もそのキャラクターなのだそうです
タクシーの運転手の女性から「最近疲れすぎている」というリアルな愚痴を聞きつつ宿へ向かいます
21:30
大洗シーサイドホテル着、就寝
ホテル着。この時間に大浴場に行くと人が全然いないのが良い
ひとっ風呂浴びて、旅館独特の「窓辺のあのスペース」でお酒を飲み、千鳥のノブが米津玄師のLemonを歌う練習をするテレビを見てから就寝しました
<2日目> 06:30
起床~朝食
「せーの! 僕たちは! 顔パンパン芸人です!」と言いながら起床(殺人的なむくみ)
完全な「丸」になった顔を引きずりながら大浴場へ。大人になるほどに大浴場に行く回数が増えている気がする。このままだと60歳くらいになったら部屋にいる時間より大浴場にいる時間の方が長くなっているかもしれない。そのせいで老人はしわしわなのだろうか、常にお湯でふやけているから…… (Wow……)
などと万人の胸に響くリリックを考えながら宿を出る準備をする
10:00
チェックアウト、神社を目指す
朝食を食べ、ホテルをチェックアウト
ホテルのすぐ外に「でっけえわさび」みたいな植物がたくさん植えてあったので写真を撮りまくっていたら彼氏から「裸子植物…」と言いながら舌打ちをされました
(でっけえわさび)
この日、我々が最初に目指したのは「大洗磯前神社」です
大洗磯前神社は、岩の上に鳥居がそびえたつ荘厳なパワースポットとして有名な場所です
なんでも、神が降り立った場所と言われているらしい。そんな場所に顔パンパンの二人が降り立って逮捕されないだろうか
そんな不安を抱えながら、私たちは浜辺を歩きながら神社を目指しました
私「ちょっと……これ……」
そのとき、歩いていた私はあるものを見つける
「レバーだ……」
レバーだった
※正しくは、レバー似の石です
ここから「いろんなものに似ている石を探しながら歩く」という知的な遊びをしながら進んでいく我々
「高校球児」
「細めのちんすこう」
「7年前に賞味期限が切れて完全に終わっている白い恋人」
(途中で野良猫をさわる)
マウスに似ている黒い石も見つけてマウスっぽく握りながら写真も撮ったのですが、仕事を思い出して「ヴッ……!」とつらい気持ちになってしまうため割愛します
そんなこんなでようやく目的の鳥居に到着
言われてみればパワー感が感じられた
(鳥居の感想、少な)
(あと写真、遠)
11:30
那珂湊おさかな市場でランチ
ランチを食べるため「那珂湊おさかな市場」という市場にやってきました
市場に入るとすぐに「すごい勢いで回るイカ4つ」が出迎えてくれます
(前世で何をしたらこんなことになるんだ)
そして我々のこの旅の目的は新鮮な魚を食べること
ランチでは約束通り、美味しい海鮮をいただかせてもらうぜ!
行くぞ!
▼海鮮丼
▼生の岩牡蠣
※フォトパワーが2しかなくてすみません
うんめえ~~~~!!!
やっぱりちゃんと漁港で食べる魚介は違う!
生の岩牡蠣に至っては人生で食べた中で一番おいしい牡蠣だと言っても過言ではなかった
私が昔の人だったとしてもこれ食べた瞬間に「これは言うなれば、海のミルク」って大きめの声で言ってるはず
「海のミルク」って私が一番最初に言い出したことになんないかな……
そんな強い思いを胸に秘めながら、おさかな天国こと那珂湊おさかな市場を後にした
13:00
アクアワールドを目指す
我々はタクシーに乗り、次の目的地である「アクアワールド」という水族館を目指す
このときタクシーを運転してくれた萩原さんというおじさんがめちゃくちゃいい人でした
いい人だったのですが
「アクアワールドね~この時間だと13:30のイルカショーにちょうどいいからね、ショーもすごく凝っててね~面白いんですよね~あとねマンボウが何匹かいるんですよたしか3匹だったかな、マンボウの飼育数が一番多いとも言われてるんですよあそこはサメの展示数が日本で一番多いんですよね、それ目当てで来る人もよく乗せるんですよ、あとねあそこに見えるホテルはかんぽの宿でねかんぽの宿のなかでも綺麗と言われているんですよその向かいにあるホテルが云々」
マジでずっとしゃべってるんだよね、萩原
間違えて古舘伊知郎が運転するタクシーに乗り込んでしまったのかと錯覚しましたが運転席には見まごうことなき運転手、萩原
ほんの10分程度の道中だったのですがめちゃくちゃ長く感じました
そんなこんなでやっとアクアワールドに到着した(体感2時間)
我々がタクシーを降りる寸前まで喋り散らかしていた萩原が最後の最後に「アクアワールドの入り口にある鐘を鳴らすといいことが起こると言われている」という雑な言い伝えを紹介してくれたので、絶対にいいことが起こってほしい私は取り急ぎ鐘を鳴らした
(いいことが起こると言われている鐘と、石化したイルカ)
そしてアクアワールドに入る
私は幼いころから水族館が大好きという乙女チックな一面を持ち合わせている
中でもペンギンちゃんがすごい好きなのだ
ペンギンちゃんに「ちょっと250万貸してくれない?」って言われたら、多分返ってこないだろうなと分かりつつ貸してあげると思う
そのくらい好きです
そしてついにペンギンコーナーに来ました
わあ~~~~~~~~~~~!!!!
KA、KA、KAWAII~~~~!
「HAWAII」みたいな書き方しちゃうくらいKAWAII~~!
一匹残らずカワイイという奇跡の生物、それがペンギン
そのとき、ペンギンに夢中な私の隣で存在感を消していた彼氏が突然言った
「ねえ、あのペンギンだけめちゃくちゃこっち見てない…?」
ほんとだ
マジでこのポーズで微動だにせずずっとこちらをまっすぐ見ているのである
(俺はペンギンに姿を変えられているが本当は人間なんだ…気づいてくれ…!)
彼氏「行こっか」
しり「はい」
私たちはペンギンコーナーを後にした
15:00
大洗駅へ移動
そうこうしている間に帰りの電車の時間が近づいてきてしまった
アクアワールドからタクシーに乗って駅へ向かう。周辺にタクシーがいないので電話で配車をお願いし、待つこと10分
タクシーが来た
後部座席の扉が開き乗り込んだとき、私は目を疑った
「はい、ありがとうございます」
萩原だった
さっき「鐘鳴らしたらいいことが起こる」ってこういうことだったの?
鐘の音を聞きつけて萩原のタクシーが配車されるシステム?
とりあえず、動揺しつつもタクシーは駅に向けて走り出す
萩原「いや~楽しめましたか?イルカショー見れました?あっあそこに見える神社は行きましたか?行った?今日は何時に帰るんですか?夕飯は決まってます?オススメのお店たくさんあるんですよこの辺はいいお店が多くてね~まずあそこの角曲がって少し行った畑の真ん中にある店なんですけどかあちゃんの店っていうお店でねあと今日行かれた市場もしらす丼がおいしいんですよねあとどんぶり亭ってとこもいいですね~あとはたけちゃんって店はねメニューがないんですよ完全におまかせで出てくるんですけど全部美味しくていいんですよねあとはあんこう鍋、あんこう鍋は中村屋ってとこがすごくいいんですよね~あんこう鍋食べたことありますか?あと飲んだあとにおすすめなのはとん太っていうラーメン屋でねこってりしすぎてなくておいしいんですよこの辺で社員旅行なんかがあった時はだいたい社員のみなさん夜に行かれてますね夜遅くまでやってるのでね、あとは中華料理の四季香って店はねすごく本格的な味付けなので好みが分かれるんだけど好きな人はすごい好きですね~でもダメな人はダメみたいなので本当に好き嫌いによるんですけどねあーちょうどあそこに見える店がですね」
情報量
短い時間で過度な情報を与えられすぎると脳がオーバーフローしてストレスで死ぬみたいな現象ってない? 情報過多死?って言うんですかね? 分かんないけどなんか私そういう精神が危険な状況に陥っている気がする 序盤ですでに私の脳が「ギブ」っつってる
しかもそれに対してずっと黙ってるわけにもいかないからところどころで「へ~」とか「すご~い」とか「おいしそ~」みたいなバラエティ番組の効果音のような合いの手を入れなければならないのでめちゃくちゃ疲れる
「すご~い」と一度録音しておいてそれを適当なタイミングで流すシステムを開発したいレベル
そして「今日は夕飯食べずにこのまま帰ります」と絶対に言い出せない空気
駅まではまだ10分くらいある…私が絶望しかけたそのとき、隣でずっと黙って携帯をいじっていた彼氏が突然口を開いた
彼氏「全部メモりました」
速記の人?
私、気付かない間に速記の人と旅行来てたっぽい
萩原「すごいですねえ、結構なスピードで喋ってましたけど」
彼氏「有益な情報だったのでメモしないとと思いまして」
なんだろう、この武士が刀を交えて「お主、いい太刀筋だな」「お主もなかなか」みたいな称えあう感じのやりとりは
あと萩原が「すごいスピードで喋った」という自覚があることに少しだけイラっとした
改善しろよ
萩原は最後まで「〇〇タクシーの運転手は関西人で喋りがすごく面白い」みたいな地元トークにもほどがあるネタを提供されたがすぐに私の脳内の『すぐ忘れてもいい記憶フォルダ(他には「速水もこみちの名前は"まっすぐな道を歩んでほしい"という願いをこめて父親がつけたもの」という情報が入っている)』にぶち込まれました
そんなこんなでやっとのことで大洗駅に到着した
15:30
特急ときわ 乗車・帰路へ
往路と同じく大洗からローカル線「鹿島臨海鉄道」に乗り、水戸まで移動する
水戸に着くや否や、彼氏は根が女子高生なので「クレープが食べたい」と言い出した
駅ビル内に偶然にもクレープ屋があったため、タピオカまみれの女子中高生を横目にクレープ購入
特急に乗りながら食べようよ~~じゃあ乗車するまで一口も食べないでおこう~~我慢ね~~~キャッキャとはしゃぎながらホームで特急を待っているといきなり彼氏が「ギャーーーー!」と叫ぶ
しり「何!?」
彼氏「虫が!!!」
なんとデカめの虫がクレープに突入してきたのだ
まだ一口も食べていないクレープ(バナナチョコカスタードクリーム)…
あの「いいことが起こると言われている」鐘の効果を一向に感じられない虚しさを胸に抱いたまま、特急がホームへとやってくる。悲しい気持ちで乗車し、帰路についた
(クレープは、虫がいた部分をごっそりティッシュでそぎ落してきちんとすべて食べました)
======================
今回なんとなくのノリで行き先を決めてしまいましたが、大洗はとても素晴らしい街でした
なんだかんだ言って萩原にも感謝していて、あそこまで旅行者に情報を提供してくれるサービス精神あふれる運転手さんはなかなかいないのではと思います
そんな、楽しかった大洗旅行から1週間が経ちました
明日も仕事です
なんなら明後日も仕事だし
信じられないと思うけど、明後日も、明々後日も、ずっと仕事……
なんだろう、仕事ってしなくていい方がみんなが絶対幸せになれると思うんだけど、みんなはどう?
絶対働きたくなくない?
ハア~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
誰か~~~~~~~~~~!
あと1000連休くださ~~~~~い!!!!!
以上
≪本日の一曲≫ みっくしゅじゅーちゅ / 大森靖子