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noouchi
4「睡眠と私」
あまり寝ない子どもだった。夜中に起き出して、外に出るなどしていたみたいだ。寝つきが悪く、寝も浅い。いつしか歯ぎしりをするようになり、隣の部屋で寝ていた姉に朝の挨拶がわりに「うるさい」「ブス」「ブタ」「恥さらし」と言われていた。あの人はもしかしたら小学校を卒業するぐらいまで片手で足りるぐらいの単語しか知らなかったのかもしれない。
おかげで寝るのも嫌になり、不眠気味は加速していく。晴れて一人暮らしをするようになってもぐっすり眠れることはなく、20代後半は強烈な睡眠薬を頼った。あまりにも強かったのでこのままではいけないと、その依存からの脱却を図ったときは精神状態が荒れに荒れ、数カ月間、すさまじい嵐の中にいるようであった。
それからしばらく飲んでいなかったように思うが不眠は変わらず、30代前半までは酒に頼った。毎日めちゃくちゃ酒を飲んでばたっと寝る暮らしを続けたところ、忘れもしない7月7日、七夕の夜に体がアルコールを受け付けなくなりアレルギー発症、その手段は自ずと絶たれた。
浴びるように酒を飲んでいた頃は、泥酔状態で何かを買い、知らない間に食べるというよくある記憶喪失をやらかすことはあった。酒が飲めなくなってもその習慣だけが残り、寝ている間に食べるようになった。カメラで録画してはどうだろうと思ったが、寝ながら歩き回る自分を見るのはとても恐ろしかったので、音だけ録音したことがあった。めちゃくちゃ動いていた。
今に至るまでは第3話に詳しく書いているが、こうして振り返ってわかったのは、私も摂食障害であることだ。自分の知らないところで発症していたのが何とも悲しい。
そういうことで、睡眠障害を誘発するものをかたっぱしから対処していく眠活が始まった。
続く