定性評価の必要性と難しさ
昨日・今日と自分の師匠が主催する私塾でコンピテンシーについての学習があった。
1. コンピテンシーは、ハーバード大学の行動心理学者マクレランドが中心となって考案したコンセプトで、高い業務成果を生み出す顕在化された個人の行動特性のことをいう。
高い業務成果をあげている行動特性をベンチマーク(指標)として採用、昇格、教育訓練、評価などの人事制度に活用されている。
指標については大きく分けてIQにあたる①思考的側面、EQにあたる②対人的側面、それらの基礎としての③総合、3つある。
(1) まず①については情報把握力、問題分析力、課題設定力、計画策定力、プロセス管理力、決断力といった個別の指標がある。
(2) 次に②についてはヒアリングスキル、プレゼンススキル、対人感受性、指導育成力、組織活性化力、方向付けする力、自己開示力といった個別の指標がある。
(3) 最後に③については、自律的一貫性、柔軟性、バイタリティ、ストレス耐性、革新性、倫理観、がある。
2. 自分にとっては中小企業大学校東京校以来の再学習ということになる。
今回は、グループ内である事例についてディスカッションをし、制限時間内に結論を出す形式やインタビュー形式をこなす中で、コンピテンシーがどれくらいあるかを参加者間で評価し合う方式。
前回と比べて①思考面については問題分析力、課題設定力、計画策定力、そして決断力がアップしていた。ただ早とちりの性格のせいか、情報把握力が相変わらず改善の余地ありといった感じ。
次に②対人的側面についてはヒアリングスキル、方向付けする力、自己開示力がアップしていたものの、対人感受性やプレゼンスキル、組織活性化に改善の余地ありといった感じ。
そして③総合については、柔軟性とバイタリティ、それにストレス耐性がアップしていた。
全体的にアップしていたが、まだまだ改善の余地があるところが見受けられる結果となった。
3. 改めてこの再学習を通じて感じたのは、決断力といった定性的なものを評価することの難しさである。
こういったものの評価は主観的要素がどうしても入ってしまうので一歩間違うと上司の気に入る、気に入らないで決まってしまうおそれがある。
ただ従業員を評価する際にたとえば警備の場合だと何回苦情があったとか、ぽかミスを何回したかといった定量的な部分だけで評価を下してしまうことは実態を見誤ってしまう恐れがある。
なので定性、定量両面で評価する仕組みを確立することが大切だと考える。
そういう意味でこのコンピテンシーモデルはある程度定性的な評価項目が客観的に網羅されているので業務処理以外の勤務態度、礼儀やコミュニケーションといった項目を評価をする1つの手助けになるだろう。
警備マイスターを策定して1年が経過した今、評価項目の評価方法に関し、このコンピテンシーモデルを活用することを隊長クラスから検討してみようと思う。