パウ・パトロール・ザ・ムービーがめっちゃいいので観てほしい
子供に大人気のアニメ「パウ・パトロール」は劇場版が4作品あって、「パウ・パトロール・ザ・ムービー」はその1作目です。
あらすじ
「メンバーの一匹」はチェイスというジャーマンシェパードの男の子で、「俺の正義が騒ぐぜ」が口癖の、正義感あふれるナイスボーイです。
チェイスは子犬のころ飼い主にアドベンチャーシティで捨てられて怖い思いをしたことから、アドベンチャーシティへ行くことを躊躇います。
リーダーのケントが「君は昔とは違う、仲間もいるから大丈夫」と説得して向かうことになりますが、結局過去のトラウマも影響してかチェイスはミスを重ねてしまいます。
「俺はヒーローになれたつもりでいたのに、本当は弱虫のままだったんだ」と自信を失ってしまいますが、最後はピンチのケントを助けることで自信を取り戻します。
チェイスが自己肯定できるようになる物語
この話は、「何かができるから自信が持てる状態」から「自分という存在に自信が持てる状態」に変化する、チェイスの精神的な成長物語です。
最初、チェイスは「本来の自分は弱虫」という思いが根底にあって、自己肯定感が低い状態でした。
パウ・パトロールの一員として、完璧に人々を助けることができる、ヒーローとしての行動をとれるからこそ自分に価値があり、人々が認めてくれ、自信が持てている状態だったのだと思います。
だから、アドベンチャーシティでのレスキューでミスを重ねて、ケントに「しばらく休んでいて、その間は僕たちだけでやるよ」と言われた時、自分の存在を不要と言われたようなショックを受けたと思います。ケントは心遣いのつもりだったのだけれど。
ショックで逃げ出したところをライバール市長の部下に捕まっていたところを、リバティが助けにきます。「俺はヒーローなんかじゃなかった」と落ち込むチェイスに、リバティは声をかけます。
助け出したチェイスを連れて、ケントは昔チェイスとケントが出会った交差点に連れて行きます。チェイスにとっては怖い思い出があるトラウマの地で、「なんで連れてくるんだ」と訝しがります。
弱虫だった自分の象徴である場所と記憶を、ケントは「誰よりも勇敢だった」と違う意味づけをしてくれていた。
この場面で、チェイスが自己肯定できたんだと思います。時にはうまくいかなくても、本当は震えるほど怖くても、自分は根っからのヒーローなんだと。
最後にケントを助ける場面でも最初は怖気付いてしまいますが、今度は前とは違い、その恐怖を乗り越えてケントを助けに行くことができます。ヒーローとして。
助けられたケントがチェイスに掛ける「やっぱり君ってヒーローだ」は涙不可避です。
派手に変形するビークルだったり、子犬たちのかわいさだったりも見どころではあるものの、普遍的な精神の成長を描いている良い映画です。お子さんと一緒にぜひ。