崎山蒼志くんと一緒に押さえておきたい新世代アーティスト
ル・プチメックで連載中のコラムでも書きましたが、崎山蒼志くんのブレイクをきっかけに浜松のティーンズのつくる音楽を掘り出したのですが、ここではもう少し広く範囲を広げいよいよ始動し始めた新世代の音楽について紹介してみようと思います。
まずは最近ではさらにファン層を広げていますので説明も必要無いと思いますが、崎山蒼志くんが組んでいる(この夏、解散ライブが決定しています。)3ピースバンドKIDS Aのこの曲から
■KIDS A / 潜水
バンドとしてキチンと録音されたものは中学〜高校生バンドだったこともあり、少ないですが、これは3年連続で海外フェスに出演することが決まっている浜松を中心に活躍するqujakuの水野壮志くんによる録音。KIDS Aに水野くんの色々な音楽アイデア、音の作り方のノウハウが加わりとても高校生バンドと思えないクオリティに仕上がっています。qujakuの音楽と比較するとニヤリとするところ多いと思います。
〈おまけ〉qujaku / KEIREN
■No Scheme
No Scheme / Other Side
No Schemeは東京の中学生2年生による3ピースバンド。崎山くんらとは方向がまるで違いますが、オルタナティブR&Bやネオソウルなどに影響を受けたであろう注目の早熟バンドです。意外と崎山くんとも聴いてるものは遠くないであろうと想像できます。(崎山くんの音楽影響が語られるとき音楽を始めるきっかけになったお母さんの影響でのヴィジュアル系が引き合いに出されますが、お父さんからの影響ではジャミロクワイなど聴いています) No Schemeに戻りますが、サチモスやNulbarichといった日本のアシッドジャズやネオソウルから影響受けたバンドファン、にも十分魅力を感じてもらえる音になっていると思います。最近の海外の若い子にも共通しているのはヒップホップを通過したビート、トラックを意識していることでしょうか。とにかく荒削りですけどセンスが溢れすぎている注目の3ピースです。
■Mom
Mom / That Girl
東京の21歳「ラッパーでもバンドマン」アーティストMom(マム)。Drakeなどの名前を出すまでもなく音楽はどんどんジャンルレスな世界、お互いの音楽を自由に行き来するものになっていますが、そういう軽やかな新しい世代のヒップホップが日本にも来たなぁと思います。ラップと歌ものの中間的、音は海外のベッドルームポップにもヒップホップなどにも通じると思うのですが、日本語ヒップホップの趣きも残しています。非常に引き出しが多そうでセンスをビシビシ感じるので今後が楽しみです。
■Nostola
熊本の20歳の鶴田虎之介くんによるソロユニットNostola。エレクトロニカ、ヒップホップなどに影響を受けて中学2年から活動をしているそうだ。グリッチノイズやギターの入り方などフォークトロニカ的と言えるけど、このメロウ感はやっぱり今ですよね。彼の持つ70年代日本のニューミュージック由来のポップなメロディラインも彼の音を魅力的にしている要素かなと。ちなみにお父さんは僕ら世代には懐かしい伝説的ネオアコバンドJohnny Deeのメンバーだとか。
■CVLTE
札幌の高校生バンド、CVLTE(カルト)。すでにSpotifyなどでもリリースされていますが、現行のインディーロックやポストロックの影響を感じますが、昇華して自分たちの音に飲み込むセンスをすごく感じます。そしてなによりこの演奏力!
■シンリズム
シンリズムくんもAno(t)raksから驚異の高校生としてデビューした時にイメージが強烈に印象づけられてますけど、まだ20歳なんですよね。ネオアコ、インディーポップあるいは渋谷系と呼ばれた音楽に影響を受けながら、シンリズム流のポップソングに仕立てる手腕はもはや若きポップマエストロ。キリンジなどを引き継ぐ新世代です。どんどんと新しい境地に入っているのでまだまだ成長から目が離せません。
以上、思いついた限りで書いてみました。マルチネからリリースしている長谷川白紙やtugboatからリリースしているpavilion xoolもまだまだ20歳。この世代です。怖ろしいセンス持った人たちがゴロゴロといて末恐ろしいですし、一音楽リスナーとしては楽しみでなりません。