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渋谷系と河合代介とハモンドと

僕自身が鍵盤を弾けるわけでもないのだけれども、好きな楽器は何?と聞かれたらわりと早い段階で挙げる楽器がある。ハモンドオルガンだ。オルガンでもシンセでもなくハモンドとするのは、やはりあの独特の倍音を活かした音色が好きだからだろう。

まずはハモンドってこんな音色と紹介がてらの一発。ハモンドの神様ジミー・スミスのThe Cat。ラロ・シフリン編曲で多少派手だけれども、ハモンドのドライブ感全開のサウンドが楽しめる1曲だ。

僕自身がハモンドに魅せられるのが、アシッドジャズが流行ってて知ったジェイムス・テイラー・カルテット。今聴くと演奏荒々しく雑なのだけど、当時の高校生の僕にとってジャズと言えばこれ。かっこいい!と夢中にさせられたバンドだった。

そして決定的な1曲に出会う。コーネリアスの(YOU CAN'T ALWAYS GET) WHAT YOU WANTだ。ジャミロクワイ登場で本格的なアシッドジャズのブームが到来した1993年、いよいよ元フリッパーズギターの小山田圭吾がソロデビューを果たし3枚目のシングルとして発売された作品。ハモンドサウンドが大暴れするジャズファンクチューン。ワウギターとハモンドの組み合わせが高揚感を高める。

日本にもこんなハモンド弾きがいるのか!と高校生ながらに驚いた記憶がある。ハモンドを演奏していたのは河合代介さん。同じ豊橋生まれというのもあり興味を持った一因だったのかも。

河合さんは、元々ピチカートファイブの小西康陽さんプロデュースで登場したTokyo's Coolest Comboのバンマスであり、鍵盤奏者で渋谷系的な音楽との相性も良かったのだろう。本格的なジャズファンクなオルガンを弾かれる奏者として、以降の渋谷系サウンドや90年代の音楽シーンで多くの音源を残されている。

河合代介さんの仕事を追っていこう。まずは1993年のTokyo's Coolest Combo。曲はフリッパーズのGroove Tube。ビブラフォーンとハモンドを中心としたボッサアレンジがとても涼しげ。

1993年のテレビでの演奏では、まだ若々しい河合さんのアグレッシブな演奏を見ることができる。

1995年のカヒミ・カリィの若草の頃では、河合さんの演奏するハープシコードのキラキラした音が彩りを与えている。

1997年の広末涼子のデビューシングルMajiでKoiする5秒前のB面、戸惑いでは前奏から河合さんのハモンドサウンドが楽しめる1曲。広末さんの楽曲は当時猛プッシュされていたこともあり、シングルB面、アルバム収録ともに良曲が多い。

こちらも1997年の音源はインスタント・シトロンのWalkin'in Wonderland。東芝EMI傘下のレーベル、スイート・スプエストからのリリース。もろモータウンビートでごきげんなスウィングナンバーに河合さんのハモンドがばっちりはまる。

2000年リリースのbluenoはfrenesiの熊崎ふさ子と河合代介によるユニット。河合さんのハモンドはもちろん、アレンジすべて冴え渡っている。素晴らしい!

最近ではハロプロ関連やジャニーズなどの作品でも河合さんのお名前を拝見します。こぶしファクトリーのチョット愚直に!猪突猛進は久々にファンキーな河合さんのハモンドを楽しめる1曲。後半に向けどんどん盛り上がる高揚チューン。

最後は河合さんが組んでいた3ピースジャズバンドone Wheelsで締めようと思います。ジミー・スミス系のジャズファンクなハモンドオルガンを受け継ぐ奏者として河合さんにはまだまだ多くのポップス作品に参加して欲しいなぁと感じています。



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