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「常識のない喫茶店」を読んで思い出したこと
もう9月になってしまいました。
7月末頃に前の職場の出勤が終わり、8月はまるまる有給期間だったので、それはもうひたすらにゆっくりして過ごしていました。
社会人として1ヶ月も働いてないことに、自分に対する不安が日を追うごとに膨らんできてはいるけれど、焦っても仕方ないよなあと、自分のペースで転職活動をがんばろうと、ぼんやり思っています。
8月は親戚のひとたちと久しぶりに会ったり、推しのライブに行ったり、いろんな本をたんまり読めた1ヶ月でした。
ずっと読んでみたかったエッセイも読めました。
僕のマリさんの「常識のない喫茶店」
マリさんが、喫茶店で働いていた出来事を綴ったエッセイなのですが、たぶん接客業として働いている(もしくは働いていた)人は、共感できるポイントが多すぎて刺さりまくるのでは…!と思っています。
お客さんだからといって、何をしても許されるわけではないのに、その立場を利用して店員を困らせる迷惑なひとたちは一定数いる。
そんなとき、店員さんは言いたいことを言えずに、我慢して呑み込むことを強いられる。
でも、この本の喫茶店は、たとえお客さんでも店員であるこちらに害を及ぼす迷惑人なら、潔く出禁にするとんでもなくかっこいいお店。
一緒に働く方たちのことも書かれていたけれど、本当に優しくて愛にあふれた環境だったのだろうな、ということが伝わってきました。
何かお店でトラブルがあったとき、店員側に非がなくても丁寧に謝るのが常識だとされているけれど、そんな世の中の、おかしな当たり前をズバズバつき破る清々しさと、まわりの大切なひとたちを守るあたたかさが、この1冊に宿っています。
この本を読んで、自分がパン屋で接客業していた頃の思い出が蘇りました。
理不尽で横柄なお客さんや、つっけんどんなお客さんへ接客したあと、「今の人、機嫌わるすぎやな」とか、「あんな態度やけど、こないだ誰かと電話してた時へこへこしてたんやで」と、いつもは穏やかなおじいちゃん店長と言い合う時間が好きだったな。
いろんなひとと関わる接客業は大変だったけれど、私自身も、お店で一緒に働くひとたちにはとっても恵まれていたことを、しみじみ思い出しました。
その渦中にいるときは苦しくてたまらなくても、時が経ってそれを過去として認識するようになると、なぜか”楽しかった”と思えるようになることを、たぶんこれからも積み重ねていくんだろうね。