【新車ディーラーの営業に告ぐ】営業はトップセールスマンになんかならなくていい
この記事では営業はトップセールスマンなんてならなくていいについて紹介します。
営業の仕事をしていたら、世に知られているトップセールスマンのように一度はなりたいと思いますよね。
トップセールスマンになるなんて思いは捨てたほうが営業の仕事が楽になります。
トップセールスマンを自分の世界から取りのぞいたら、自分の営業がすばらしいことにきづきますよ。
営業はトップセールスマンなんてならなくていい
営業をしている人の中には、トップセールスマンにあこがれている人も多いのではないでしょうか。
トップセールスマンになれば、世間に知られるようになり、
本を出版したり
取材を受けたり
テレビやYouTubeに出演したり
とトップセールスマンになれば世間からちやほやされるでしょう。
世に出られるまではいかなくても、全国展開している会社であれば、全国でトップ10にいつも入っているような人になりたいと思うでしょう。
以前のわたしもそう思っていました。
たしかにトップセールスマンは、身のこなし方やら、しゃべり方やらが自信まんまんで颯爽としていてかっこいいので、自分もと目指すのはいいと思います。
ただしずっと「いつかはわたしもトップセールスマンになり世に知られるようになるのだー」と強く思っていると、つねにトップセールスの人と比べてしまい、自分のしている仕事がすごいことが気づかず、「オレってまだまだだなぁ」と感じつづけることになるのです。
そうなると、調子がいいときはいいですが、販売台数が月に1台から2台という結果がつづくと、「オレって全然だめだなぁ、とてもトップセールスではないなぁ」と自責の念にとらわれ、仕事をしている楽しさもなくなってしまいます。
実際営業をしていると波があるので調子悪いときはあります。あたりまえのことです。
自分の能力がトップセールスマンと比べて、かけはなれて劣っていると思いこんで、自暴自棄にならないためにも、今回の記事で「トップセールスマンなんていらない」ことを明らかにしていきます。
この記事を書いている私は営業歴8年ほど、新車ディーラーの営業時代に年間新車販売台数で社内トップとなり表彰されたことがあります。
どうしてトップセールスマンになりたいと思うのか
トップセールスの本が世にあふれていて、それを購入してまで読む人は「自分もトップセールスなりたい」、それがかなう「車がバンバン売れるいいヒントが書いてあるかもしれない」という思いがあるからではないでしょうか。
本があふれている、同じことを考えている人もあふれている。
営業をしている人が、一時の私みたいにどうしてトップセールスマンになりたいと思うのでしょう。
私がおもうにそれは承認欲求からきているのだと思います。
承認欲求
承認欲求とは他者から自分のことをすごい人といってもらったり、特別な人と認められたりすることで、自己肯定感が得られることをいいます。
承認欲求が満たされるのは、営業では他の人では到達できないような成績をあげてみんなからちやほやされたり、自分の名前が全国に知られたりなどでしょうか。
私の営業での承認欲求が満たされたとき
生まれて初めて営業の仕事をしたのが飛び込み営業で、全国に支店が14店舗ある会社でした。
入社して1ヵ月以内の売り上げ金額の総額で、全国2位にランクインし新人賞をもらったことがあります。
全国規模の会社で自分の名前がリストにあがったことに、表にはだしませんでしたが、すごく嬉しかったおぼえがあります。
そしてそこで営業マンとしての承認欲求が開花したのです。
そのとき私も本に出ているようなトップセールスマンになりたいと思うようになりました。
しかし今はそうは思わなくなった
今はトップセールスマンになんてならなくていいと思うようになりました。それはどうしてでしょう。
トップセールスマンになりたいと思わなくなった理由 1つ目
その飛び込み営業の仕事をしていて、月に2件、多いときで3件の契約がとれればいいほうでした。
全国のトップ10にランキングするには5件以上契約を取らないとならず、トップ10の人たちの売上金額をみて「いやぁ、上には上がいるもんだなぁ」と思ってました。
結局その仕事をやめるまでの1年の間、全国にランクインすることはなく、「トップセールスマンになるって、日々モチベーションを保ちながら、飛び込み件数もこなしてかなきゃならいので、結構たいへんだなぁ」と思うようになりました。
トップセールスマンになりたいと思わなくなった理由 2つ目
私が新車ディーラー営業3年目のときに、1年間の新車販売台数で社内でトップとなったことがあります。
決起大会とよばれる1年に1回ある会社のパーティーで、他事業のグループと来賓客を合わせた約300人の前で表彰されました。
そのとき、ふたたびあの飛び込み営業で新人賞をとったときの、栄光がよみがえってきたのでした。
そのパーティーのあと、気の許せる職場の仲間とバーに行って祝杯をあげ、グデングデンになって家に帰り、次の朝目を覚ますと二日酔いの頭で鈍痛がするなか、
「またあの意味のわからない顧客訪問と毎月のノルマがつづくのか」
と毎日の仕事の情景が頭によぎってきて、
「昨日の栄光はいったいなんだったんだろう、もう退屈な仕事にほとほとうんざりだ」
とおもいつつ日々の日常へと戻っていったのです。
それから私は仕事にぜんぜん身が入らず、もぬけの殻のようになっていました。
車を売ってトップになっても、そこにもはや楽しみはなく、ましてや顧客がそれだけ増えても収入はわずかで、稼いでいるという実感はまったくなかったのです。
承認欲求より大切なこと
自分の人生をみつめなおすと私のやりたいことというのは、「営業でトップになり承認欲求をみたす」ではなく、「自分でビジネスをおこし、自分の力で稼ぎたい」だったのです。
「このまま新車ディーラーで働いていても自分がダメになってしまう」
「これは本当に自分のやりたいことと違う」
とみかぎってやめたのでした。
トップセールスマンと世間でよばれ、もてはやされ本にもなる人はほんの一握りです。
そんな人物になりたいと思っているのならムダなのでその考えはやめたほうがいいでしょう。
世間に周知されるような人は、芸能人と同じような存在です。芸能人になるのにどれだけの競争と運が必要でしょう。
トップセールスマンになるにもそんじょそこらにある、セオリーをやってもなれないということです。
私がみたすごいトップセールスマン
飛び込み訪問営業時代、私の務めていた支店にKという人物が突如あらわれました。
黒いスーツに黒いシャツ、まるでホストです。しゃべり方もいつも自信満々でした。
プロ野球の 新庄に顔もしゃべり方も似ていて、新庄を元ヤンキーっぽい雰囲気にした感じといえばわかるでしょうか。
Kは飛び込み営業界では有名な人で、以前私がいた会社では常に全国支店のトップ10にランクインしていたということです。
その人の訪問営業スタイルは基本行動と全く逆
飛び込み営業は、1件1件軒並みに訪問するのが基本ですが、その人は「狙いうち」という手法をつかっていました。
狙いうちとは
家を見て、その世帯の収入や貯蓄状態を判断し、リフォームをしそうなところだけを選別し訪問することをいいます。
会社でごはっととされていた
狙いうちは会社では禁じ手とされていました。なぜならふつうの人が狙いうちをしても全然アポイントがとれないのです。
訪問販売は邪念が入ると契約が取れないとよくいいます。
だから、「お金持っていそうな家だから」、とか「もうすぐリフォームしてもおかしくないな」といって、家の人に断られると自分の予想が外れたことで自信をなくしてしまうのです。
だだ、このKはそれをやってのけ、狙いうちだけでさらっと月に2〜3件の契約をするのです。
トップセールスマンKの営業講習
一度社内でKが、飛び込み営業の講習をしてくれたことがあります。
講習の内容はというと
同じ場所ばかりいかない:軒並み訪問といえども、契約が取りやすいエリア、そうでないエリアがあるので、地図の同じ場所ばかりまとまっていかず、4方を順ぐりにまわる
道ですれ違う人たちに笑顔であいさつする
たばこを吸っても投げ捨てない
公園でたばこの吸い殻が落ちていたら拾う
近所の住人はどこで見ているかわからないから
とたしかにと思うことばかり。
そしてKはアポどりのロープレをみんなにひろうしました。
トークは会社で決められた基本トークと内容は変わらない。ただ我々と違う点はKが自信満々で話していて、この先の話も聞きたくなるような雰囲気があるのです。
当時支店の事務員だった人が「Kのようにやれば、アポなんか簡単に取れそうですやん」といってアポインターに鞍替えしてきました。
その人はそれからアポが1件も取れず3ヶ月もしないうちに辞めていきました。
私もKと同じように近所であいさつしたり、吸い殻を拾ったり、自信満々で基本トークをしたりしましたが、ほかのアポインターと同じで、めまぐるしく成績がよくなったものは誰一人としていませんでした。
このKのことと、新車ディーラー営業の時代にトップセールスの本を読んで、同じようにマネしても結果がでなかった経験から、
「トップセールスマンのスタイルをいくらまねしても、トップセールスマンにはなれない」
「トップセールスマンは芸能人と同じで特殊な存在なのだ」
と割り切れるようになりました。
トップセールスマンにならなくてもあなたはすばらしい存在
会社が必要としている人はトップセールスマンではなく、毎月コンスタントに成績をあげる人
新車ディーラーの営業で、新車を月に3台から5台を毎月コンスタントに売っていたら、会社にとっては貴重な存在です。
トップセールスマンのようにずば抜けた成績をだしてないので、あまり目立ちませんが貴重です。
パッと売れて、つぎの月はぜんぜん成績が上がらないっていう、波のある人は、会社側からはあてにされません。
まるで違う存在なのです。
トップセールスマンが会社にいらない理由
世間で知られるトップセールスマンや全国レベルの成績をあげるような人は、有能すぎて、いつまでも会社に雇われてなく、自分でビジネスをしたり、コンサルタント会社を起したりといずれ去っていく人です。
会社にとってはその人がいなくなったあと「業績ががたおち」なんてことになったら意味がありません。
また先ほどのトップセールスマンKのように、他の人がマネをしても結果がでず、普通の人を売れる営業マンにしたり、班を引率したりと、管理者としての素養はあまりないといえます。
なので、成績がずば抜けてなくても「ずっと成績をあげ続けている人はすばらしい」のです。
トップセールスマンのオススメ本
私は営業時代にセールスの勉強をとおもい、トップセールスマンの本をいろいろと読みましたが、おススメの本は1冊もありません。
例えばこんな本をよんだことがあります。
かばんはハンカチの上に置きなさい トップ営業がやっている小さなルール [ 川田修 ]
内容はというと、この著者は「鞄は地面とかどこにでも置いたりして底が汚れているので、お客さん宅に上がり、鞄をおくとき床の上ハンカチを敷き、その上に鞄を置くのだ」とかいう話しでした。
これを読んで、「ふっ、こんなことはとうていやらないな」と思いました。
ふつうの人がお客さん宅にあがり、鞄の下にハンカチを置いてもお客さんが契約してくれるわけがありません。
その人は他のトップセールスマンの人たちと同じで、万人とちがうことや、並々ならぬ努力をしてきたんだと思います。
私は努力がすきではないので、とてもトップセールスマンのようなマネはできません。
大抵の人も同じでしょう。
読んでいてあまりのばかばかしさに、その後、営業に関する本を買うのをいっさいやめました。
それよりも営業の本以外で、営業をしている方にぜひ読んで欲しい本があります。
営業マン必読書
永井孝尚(ながいたかひさ)著「100円のコーラを1000円で売る方法」
営業の方で次の考え方に1つでもあてはまる方はぜひ読んで欲しい本です。
販売の先鋭である営業は会社の中ですばらしい存在だと思っている
営業がいないとモノ、サービスが売れないと思っている
営業がいるからこそ、会社が存在しているのだと思っている
営業しかしていない人はこのように、「考えかたが営業よりになっている」人もいるんではないでしょうか。
私も以前、営業マンのときは、営業がいるからこそ会社が存続しているんだと、営業を信奉していたときがありました。
この「100円のコーラを1000円で売る方法」を読んだ感想
読むとどうなるか
営業に陶酔、信奉、している人はこの本を読むと、
商品は営業の力だけで売れているわけではないということがわかります
顧客からリスニングをし、顧客を満足させればモノが売れる顧客至上主義というのが間違っているとわかります
マーケティングの本質を知ることができます
ですので一度は読んでいただきたいのです。
まとめ
結論 トップセールスマンになんかならなくても、車を毎月売りつづけ、また売ることだけなく販売後のアフターメンテナンスもしっかりしているあなたは、顧客や会社にとって十分貢献しているので、あなたはすごい存在なのです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
次回またお会いしましょう。
でわっ!