同じ名前を持つ友人と『バクマン。』みたいなことをした話
実写版『バクマン。』でW主演を務めた2人が独立を発表したが、そういう話ではない。
今日お話したいのは、小学校からの幼馴染と1冊の本を作ったお話である。
彼女の名は國枝志帆と言う。私も彼女も、「しほ」という名前で、非常に仲良くしていた。
2人とも、小学生の頃から本が好きで良く本の話をしていた。青い鳥文庫の「パスワード探偵団」シリーズが好きで、友人何人かで「探偵団」を結成したこともある。
そんな彼女も、また、私と同じように、「書くこと」も好きだった。
「書くこと」が好きでも評価されることから逃げた私とは違い、彼女は小説をコツコツと書き、近年は選考にも通るようになってきた。
彼女の文章は、私の書くそれとは違い、繊細で優美だ。
彼女は自分の好きなものを深く調べて深く愛し、自信を持っていて、それを発信している。それが伝わってくる文章は見ていて、気持ちが良い。
(下記は彼女のインスタ)
商業小説家を目指して、日々文章を紡いでいる。日々、丁寧に言葉を選びとっていく。彼女の洗練された文章は私には無い繊細な感覚で書かれたもので、嫉妬すると共にそれ以上に、尊敬していた。
一方の私は、文章が書けなくとも文章に触れ合っていたい、良いコンテンツを広めていきたいと「編集者」となって、4年と少し。書籍を作る基礎技術は身につけていた。(もっとも、電子書籍を販売するためのスキルや経験はなかったので、後々かなり苦労したが。)
そんな中で、彼女から相談を受けた。詳細は伏せるが、ある賞に出したら才能を見込まれ、出版社のレーベルで自費出版しないかという話だが、どうしようと相談を受けた。彼女には即決しかねる理由があって、それを私に打ち明けてくれた。
「だったら、 私と一緒に本を作らない???」
彼女の相談を受けているうちに、不意に湧き上がった感情に抗えず、気づいたら、そう言葉にしていた。彼女は驚いていたけれど、その提案を非常に喜んでくれた。
数日経って、彼女から連絡がきた。
「ぜひ、一緒に本を作りましょう」
そこから、レイアウトはどうするか、装丁などを詰めていった。
オンラインで顔を見ながら何度も会議をした。その作業は文化祭のようで、でも、彼女に依頼された「仕事」でもあって、不思議な感覚だった。
私は、電子書籍のデータを作ったことがなかったので、そこを調べるところから始まった。悪戦苦闘するのも、意外と心地よかった。
2人で話し合ったものが、だんだんと形になっていく。コンテンツが0から出来ていく喜びを改めて感じていた。
装丁は、内容とリンクさせた、シンプルなものにしたものにした。物語の雰囲気を感じてくれたら嬉しい。
作り始めて数ヶ月。ふたりで時間をかけて作ったものが出来上がった喜びはひとしおだった。
本の奥付を彼女の誕生日にしたら、非常に喜んでくれて、それがとても嬉しかったりもした。
彼女には、素敵なプレゼントをもらったのだが、それはまた別の機会に書くことにする。
そんな風に、彼女の書き、私が編集をした至極の小説が、『盗作家』という作品である。
あらすじは以下の通りだ。
小説家の塔坂晶は盗作をしている。それも一風変わった盗作だ。『聲』という呪いのインキに封じられた物語を書くため、執筆には必ず万年筆がいる。聲の守人である謎の少女・雪に誘われて、塔坂はインキの物語を盗む盗作家になった。塔坂は不思議な盗作に罪悪感を抱きながらも作家デビューを果たし、それから……
万年筆と作家をめぐるファンタジーです。
こちらの本は以下の方法でご購入いただけます。
ぜひ、ご一読くださいませ!!!
【電子書籍】
Kindleにて、絶賛発売中。税込600円です。
【紙書籍】
BOOTHにて紙書籍の方も絶賛発売中。A5判234ページ、本体1500円に加え、送料500円がかかります。希望者には著者のサイン付きでお送りします。匿名発送なので安心してお使いいただけます。
※なお、個別に、紫央にお声かけしていただければ、私から一筆添えてお送ります。(需要は皆無でしょうが笑笑)やり取りは別途応相談。
以上、彼女の紡ぐ物語がより多くの人に届くといいなぁ、そう願う編集からの、ラブレターでした。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?