「最強新コンビ決定戦 THEゴールデンコンビ」に、作り手の本気を見た。
10月31日公開のAmazon primeオリジナル番組「最強新コンビ決定戦 THEゴールデンコンビ」
全5話、一気見してしまいました。
あらゆる面で、凄すぎた。
いやぁ、面白かった〜。お笑いはそこそこに好き、くらいの私ではありますが、全体を通していろいろ感動したので、大枠のネタバレなしで、諸々の感想を書き残しておきたいと思います。
…その前に、この番組のざっくり趣旨を説明すると、8人の芸人がそれぞれが「コイツと組めば絶対優勝できる」を思う相方を指名し、優勝賞金1000万円を懸けた即興コントバトル(Amazonさん金額がエグいw)…というもの。
投票は「一番面白くなかったコンビ」を200名の観覧者が投票で落とすスタイルだったんだけれど、まずこのシステムがすごいなと思って。
この企画のベースとしてイロモネアがあったと、企画・演出の芦田さんのnoteにも言及があったけど、観覧者にジャッジを委ねることである程度ネタに「大衆性」を求められるのと(極度の下ネタやコアなお笑いファンしか分からないお笑いではないみんなが見やすいお笑い)、「自分ならこの人かな〜」って当事者視点で見せる装置になっているなと思いました。
「面白くないを選ぶ」、というのは裏を返せば、「面白い前提で見る」という脳のアプローチもある気がする。そこでまず、いいなと。
ちなみに最初に発表された顔ぶれはこんな感じ。
選定のバランス絶妙すぎでは?!?!ってキャスト見た時点で思ってたのですが(全員知っているメンバーかつ主戦場バラバラかつ芸風バラバラ)各々のペアの発表も上手くて。
動画での発表でしたが、関係性に萌えるタイプの私にはガン刺さりしてしまいましてですね。
というのも、動画が3つのポイントで構成されてまして。
(①の部分だけの動画もその前に告知あり)
①でざっくりと選んだ理由を見せることで物語を理解させて、③でより深掘りするという構造。凄すぎる。①でライト層にも関係性をざっくり理解させ、③でお笑いファンも巻き込むの凄い。
レーダーチャートの項目も自由に書いて良いとなっているから、そこに相手への評価が見えるし、2人の関係性が表れているのが本当に良くて。
8組全部観て、「この番組、めっちゃ面白そうやん…!」って観る前から期待度はかなり上がりましたね。
⬇️特に好きだったコンビ動画。すでにコントw
「観る前からワクワクさせる」
っていうのって、かなり大事だよなって改めて思わされましたね、ええ。
それでは、本編の話をば。
まずは、本当に、本当に、シチュエーションとお題が秀逸すぎた。いろんなジャンルのお笑いを見せられるような仕組みづくりがうまかったし、
「少し飽きそうだな…」なところで、ピリッと緊張させる要素を入れてきて、ずっと飽きない。
お笑いのいろんな要素が入っているから、各コンビ各コンビの、芸人として苦手なジャンルが如実に見えたのも面白かったね。
みんな実力ある人たちだから、ジャンルによって勝敗が結構違ったのも印象深かった。
でも、本当に、いい企画にいい演者使って、いい設定作れば、あとは上手に回る…みたいなのをしっかり見せられた気がする。
全体として、みんなで面白い物作ろうぜ、な空気感が良かった。ペアだけど個人だし、個人だけど集団のお笑いだなって思った。
ショーレースって結局勝ち負けに終始してファン同士もギスギスする感じが少なからずあるけれど、今回のこの番組には、そういう要素はあまり感じず、「自分の好きなお笑い」で切磋琢磨し合っている感じがして最高だったな。(配信でもう決着ついてるからとかもあるかも?)
あと、有名人ゲストの使い方も上手くて。有名人ゲストの投入は、視聴者のパイを増やすこと、大衆性を持たせる効果があると思うんだけど、「あくまで芸人が主人公」っていうのを徹底している出し方でよかった。
スーパーサブ的に有名人使っていて、その辺りの塩梅も絶妙でした。その人のファンが観ても、楽しい感じに仕上げてたのも凄い。
あとは、番組の尺も絶妙。それこそ、基本的に1番組50分くらいを5本って、ちょこちょこ見るのにちょうど良い量と言いますか。
ネタもある種ショートコントのオンパレードなので、いい意味で作業の合間に…とかにも、ハードル高くなく観れると思った。極論その有名人が好きな人はその回だけ観てもちゃんと面白い、みたいな作り方してたし。
今、ドラマがそういう作り方のものが多いと思うけれど(1話をスポット的に観ても満足できるけれど、全てを追うことで、さまざまな伏線を回収できる感じ)「お笑い」でもそれができるんだなと感激しましたね……。
ということで(!)安易に総評するとしたらば、
観たら演者全員のことを
観る前より好きになった番組
でしたね。
即興って人間性も出るし、真剣にふざける姿って人をワクワクさせるんだなって改めて思いました。関係性萌えも存分に詰まっていたし、いろんな味を一度に味わえるお得感がありました。
それこそ、「お茶の間で見られる、お笑い好きも楽しめる笑い」みたいなもののひとつの最善解が見れた気がしましたね。音楽界における米津玄師みたいな粒感です。(無茶苦茶褒めてる)
そんなところでしょうか。
テーマカラーの配色がうますぎるとか(蛍光のピンクと黄緑っていう反対色でテンション上げてるのも巧い)、衣装が可愛すぎるとか、色々ありますが、このくらいにしておきます笑
お笑い好きな人もそこまでの人にもおすすめできる番組でした\( ˆoˆ )/! 気にやる話数だけでもお試しを…🫶
最後に…「ゴールデンコンビ」を作ったゴールデンコンビのうちの1人企画演出の芦田太郎さんのnoteとマヂラブ野田さん&令和ロマンの動画を共有しておきます。
いつだって、誰かの心を強く動かすのは、
誰かの熱量ですね…!
▼芸人への愛とリスペクトを感じる制作側のnote
▼本人たちによる解説動画(もはやコント)