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笑顔に力は無い

悲しいから泣くのではなく
泣くから悲しいのだという

表情フィードバック仮説なるものがあります。

辛い顔するから辛い
幸せな顔してれば幸せという

表情が心理に影響を与えるという仮説です。

100年以上前に提唱された表情フィードバック仮説は今でも、心理学では声高に言われ続けています。

表情フィードバック仮説を元に笑顔を作っていれば幸せという仮説を提唱した人がいます。

1988年にフリッツという人がある実験を行いました。

口を「い」の形にした状態でコメディー映画を見せた集団と
口を「う」の形にした状態でコメディー映画を見せた集団で映画が面白かったかどうか評価させてみたのです。

結果は口を「い」の形、すなわち笑顔の状態で見た集団の方が映画を面白かったと評価しました。

この実験で笑顔という表情が幸福感を作ると心理学では過剰に持ち上げられました。

しかし2016年に17の研究機関で大規模な再現実験を行ったところ、9つの研究機関で少しだけ再現でき、8つの研究機関では効果の再現ができませんでした。

フリッツの言うように笑顔でコメディーを見ても面白さに差が対して出ないのです。

現状、表情フィードバック仮説は「幸福な時に笑顔だと幸福を感じやすい」
という何ともお粗末なものと判断されています。

笑顔の表情を作ったからといって幸せになるわけではないのです。
笑顔は他者を和ませたり、コミュニケーションを円滑にするものであって、自分自身に影響を大きく与えるものではありません。
笑顔に力は無いのです。

当然、痛みを笑顔でやり過ごす事などできないのです。

辛い時に無理に笑顔を作ることは矛盾が生じるため心や体に負担がかかるとさえ言われています。

「辛い時ほど笑顔だよ!」
なんて言葉は自己啓発セミナーやビジネスの中での話であって闘病中にやることではありません。

闘病中は他者を気遣う時間ではないのです。

笑顔を作れば幸せに感じ、痛みも、うつ症状も消えると信じてアドバイスをしてしまっている人が如何に多いことか……。

家族や友人、知人に線維筋痛症で苦しんでいる人がいるのであれば笑顔のアドバイスをするのはやめましょう。

闘病中の人が笑顔になれるよう考え行動してみてください。



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