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中西敏貴写真展「The New Land」(奈良市写真美術館)

中西敏貴の写真展「The New Land」(奈良市写真美術館)を訪問。彼の写真集「オプタテシケ」で魅了された自分にとって、この展覧会は大きな幸運だ。展示はオホーツク文化を辿る旅「地と記憶」と、大雪山系「オプタテシケ」の二本立てで構成。作品は、まるで彼と共にその風景を歩いているかのような感覚を与えてくれる。独特のフレーミングや穏やかな色彩は、なにげない風景をじっくりと捉えている。静寂の中、オホーツク文化に思いを馳せて その遺物は展示標本を見ているような気持ちになる。

作品の展示も一工夫されており、ランダムに配置されているようでいて、左右対称しつつ上下反転の展示がなされている。自由な展示レイアウトが、散策しているかのような気持ちにさせてくれる。

「オプタテシケ」では、大小様々なサイズの作品がダイナミックに展示され 未知の惑星や月面上空を旅しているような風景が広がり、時間や場所の感覚を失わせる不思議な体験が味わえる。いつもと順路が違って出口側から入場する構成になっていた。

ショップで写真集「Land of Fusion 地と記憶」を購入。しっとりとした手触りのエンボス加工された写真集は、追体験するのにふさわしい出来栄え。手に入りにくい「オプタテシケ」の在庫もあった。作品展は11月24日まで。



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