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外出キャンセル界隈のメンタルヘルス
こんにちは。しんしん心理研究所の心理師Shingo(しんしん)です。
コロナが広がった後、私たちの生活や人との付き合い方は大きく変わりました。その中で、最近よく聞くのが「外出キャンセル界隈」という言葉です。これは、予定を立てても直前でキャンセルしてしまう人たちや、その背景にある気持ちのことを指します。今回の記事では、なぜ外出をキャンセルしてしまうのか、その原因と対処法についてわかりやすく説明します。
外出をキャンセルする理由
外出をキャンセルする理由はさまざまですが、大きく分けて次の3つが考えられます。
1. 人付き合いが苦手
人前でどう振る舞えばいいかわからない、ほかの人にどう思われるか気になる。このような気持ちが強い人は、外出の約束をしても、不安や緊張で行けなくなってしまうことがあります。特に新しい環境や初対面の相手だと、そのプレッシャーはさらに大きくなります。
2. 完璧じゃないと不安
「外出するときは、ちゃんとした服を着ていないといけない」「調子が悪いときに会うのは迷惑をかけるかも」と考えてしまい、自分が「完璧」じゃないと外出できないと思い込んでしまうことがあります。また、この完璧主義は他人からの評価を気にしすぎることが原因になっている場合もあります。
3. 疲れてしまっている
学校や仕事で疲れすぎて、外出する元気が出ないことも理由の一つです。最近は、リモート授業やリモートワークが増え、家にいる時間が長くなり、外出が面倒に感じる人も増えています。特に家での仕事や勉強が続くと、家が安全な場所に感じられる反面、外出することに対する心理的な抵抗が強まります。
外出をキャンセルすることで起こる問題
何度も外出をキャンセルしていると、次のような気持ちになりやすくなります。
1. 一人ぼっちだと感じる
友だちや家族との交流が減ると、「自分は一人ぼっちだ」と感じやすくなります。この孤独感は、心の健康に悪い影響を与えることがあります。孤立を感じると、自己否定感が強まり、他人と関わることへのハードルがさらに高くなる場合があります。
2. 自分を責めてしまう
「また約束を守れなかった」「自分はダメな人間だ」と考えるようになると、どんどん自信を失ってしまいます。このような自己否定感が続くと、他の場面でも挑戦する気力が湧かなくなることがあります。
3. さらに外出しづらくなる
キャンセルすることで「ほっとする」一方で、「次はどうしよう」とプレッシャーが大きくなり、次の外出がもっと難しくなってしまうことがあります。この悪循環が長引くと、外出自体がストレスとなり、社会生活に影響を与えることもあります。
外出キャンセルを減らすためのヒント
外出のキャンセル癖を少しずつ改善するために、以下のポイントを試してみてください。
1. 小さな目標を立てる
いきなり長い時間の約束をするのではなく、短い時間の予定から始めてみましょう。例えば、「近所の公園を散歩する」や「友だちとカフェで30分だけ話す」など、無理のない範囲で目標を決めます。こうした小さな成功体験を積み重ねることで、外出への自信が少しずつついていきます。
2. なぜキャンセルしたいのか考える
外出したくなくなる理由を考えてみましょう。不安なのか、疲れているのか、それとも別の理由なのか。理由がわかれば、それに合った対策が見つけやすくなります。例えば、不安が原因ならリラックス法を試す、疲れが原因なら十分な休息を取るといった工夫ができます。
3. 誰かに相談する
信頼できる友だちや家族に「外出が苦手なんだ」と話してみましょう。理解してもらえると、少し気持ちが楽になるかもしれません。また、心の専門家に相談するのもおすすめです。専門家は客観的なアドバイスをくれるだけでなく、具体的な対策を一緒に考えてくれます。
4. リラックスする練習をする
不安な気持ちを和らげるために、深呼吸をしたり、ゆっくり体を動かすなどの方法を試してみてください。また、マインドフルネス瞑想を取り入れると、不安や緊張をコントロールしやすくなることがあります。こうした習慣を日常的に続けることで、心の安定を保ちやすくなります。
5. 楽しいことを取り入れる
外出を楽しい経験にする工夫をしましょう。例えば、外出先でおいしいものを食べたり、好きな音楽を聞いたり、自分が楽しめることを予定に入れるのです。また、外出した後に「やってよかった」と思えるような報酬を用意するのも効果的です。
6. ゆっくり時間をかける
外出に慣れるには時間がかかることもあります。焦らず、自分のペースで取り組むことが大切です。「今日は行けなかったけれど、次回はもう少し頑張ろう」と前向きに考えることで、気持ちの負担を減らすことができます。
まとめ
「外出キャンセル界隈」と呼ばれる現象の裏には、ただの怠け心ではない深い理由があることがわかります。無理に「頑張らなきゃ」と思う必要はありません。少しずつ自分のペースで外出する練習をして、心の負担を減らしましょう。そして、困ったときは誰かに助けを求めることも大切です。自分の気持ちに耳を傾けながら、無理のない方法で少しずつ前進していきましょう。
また、外出のハードルが高いと感じる人たちにとって、私たちができることもあります。例えば、理解や共感の姿勢を持つことが大切です。「行きたくない」という気持ちを否定せず、「じゃあどうすればいいか一緒に考えよう」と寄り添うことが、相手の心の負担を軽くする手助けになります。
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