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「騙される心理」どうして詐欺はなくならないのか

こんにちは。しんしん心理研究所の心理師Shingo(しんしん)です。最近のニュースや話を聞いても、振り込め詐欺や特殊詐欺に引っかかる人がたくさんいることが分かります。特に高齢者や一人暮らしの人が被害に遭うケースが目立ちますが、若い世代や会社員でさえ騙されることがあります。どれだけ注意喚起がされても、詐欺に遭う人が減らないのはなぜでしょうか?
今回の記事では、人が詐欺に騙されてしまう理由を簡単に説明し、どうやったら防げるかを考えます。また、詐欺の背景にある心理的な仕組みや、具体的な防止策についても詳しく触れていきます。

人が詐欺に騙される理由

1. 恐怖や不安につけこまれる

詐欺師は、人が持つ「不安」や「恐怖」を利用します。 例えば、「家族が事故に遭った」「銀行口座が危険だ」と言われると、冷静に考える前に「どうにかしなければ!」と思ってしまいます。この焦る気持ちが、詐欺に引っかかる原因になります。

さらに、恐怖や不安は人間が本来持つ「危険を回避したい」という本能と関係しています。この本能は非常に強力で、危険を感じると判断力が低下しやすくなります。そのため、普段なら冷静に考えられることでも、詐欺師の言葉に乗せられてしまうのです。

例えば、詐欺師が電話越しに「お孫さんが事故で入院しています」と伝えた場合、冷静に考えれば事実確認をすべきですが、動揺してしまいそのまま指示に従ってしまう人が多いのです。特に感情的になりやすい状況では、詐欺に引っかかりやすくなる傾向があります。

2. 信じやすい状況を作られる

詐欺師は、「この人は信頼できる」と思わせるのが上手です。 例えば、電話やメールで親切そうに話しかけてきたり、公式な感じの文書を送ってきたりします。そのため、「この人は嘘をついていない」と思い込み、つい指示に従ってしまうのです。

また、詐欺師は話し方や態度にも気を配っています。穏やかな声や丁寧な言葉遣いを使うことで、相手に安心感を与えます。さらに、「他の人も同じことをしている」と伝えることで、「自分だけではない」と思わせ、信じ込ませる効果を高めます。

例えば、詐欺メールに「あなたの知人も利用しています」といった文言が含まれていると、信じてしまう人が増える傾向があります。このように、詐欺師は心理的な信頼を巧みに操ることで被害者を引き込むのです。

3. 一部の本当っぽい情報が混ざっている

詐欺には、少しだけ本当のことが含まれていることがあります。そのせいで、「これは本当かも」と思ってしまいます。本当の情報と嘘の情報が混ざると、どこまで信じていいのか分からなくなり、結果的に騙されてしまうのです。

たとえば、詐欺の電話やメールに実際の会社名や公共機関の名前が含まれていることがあります。これによって、「これは本物だ」と思い込ませる仕掛けがされています。また、「期限が迫っている」と強調されることで、冷静に考える時間を奪われてしまうのです。

さらに、詐欺師はインターネットやSNSの情報を利用して被害者の個人情報を収集し、それを巧妙に使います。例えば、「〇〇さんのご紹介で」と言われると、本物だと思い込んでしまいがちです。このような手法は特に近年増加しており、注意が必要です。

詐欺に引っかからないための対策

1. 日頃から最新の情報を知る

詐欺の手口はどんどん変わっています。日頃からニュースを見たり、家族や友達と「こんな詐欺があるらしい」と話し合うことで、いざというときに冷静に対応できるようになります。

さらに、地元の警察や自治体が発信する防犯情報をチェックするのも有効です。詐欺の事例を具体的に知ることで、「自分は大丈夫」と思い込むことを防ぐことができます。例えば、防犯メールの配信サービスに登録しておくと、最新の詐欺情報を簡単に入手できます。

また、SNSやインターネットを通じて情報を共有することも重要です。詐欺被害の報告を見聞きすることで、自分の周りで似たようなケースが発生していないか気を付けることができます。

2. すぐに行動しない

「急いでお金を振り込んでください」と言われても、すぐに行動しないことが大事です。一度電話を切って、家族や友達に相談するか、公式な問い合わせ先に連絡をして確認しましょう。

また、詐欺師は「今すぐ決断しないと大変なことになる」と急かしてきます。こうした状況では、「本当にこれが正しいのか」を一度考える癖をつけることが重要です。焦らず、時間を取ることで冷静さを取り戻せます。

例えば、「期限が1時間後です」と言われても、一旦深呼吸をして落ち着くことが必要です。そして、疑問点をリスト化して、それを解消するまで行動を控えるのが賢明です。

3. 自分だけで判断しない

詐欺に遭う人は、「誰にも相談せずに自分で解決しよう」と思うことが多いです。しかし、冷静な判断をするためには、周りの人に相談するのが一番です。

特に、高齢者や一人暮らしの人は詐欺のターゲットになりやすいと言われています。そのため、家族や近所の人と普段からコミュニケーションを取ることが大切です。たとえ些細なことでも、相談できる環境を作ることが予防につながります。

さらに、会社員の場合は同僚や上司に相談することも有効です。詐欺は個人的な問題だけでなく、企業や組織に影響を及ぼす場合もあるため、組織全体での対策が求められます。

まとめ

詐欺は、誰でも騙される可能性があります。大事なのは、「自分は大丈夫」と思わずに、日頃から注意することです。詐欺に対する知識を増やし、冷静に対応できる準備をしておくことで、自分や家族を守ることができます。今回紹介したポイントを参考にして、詐欺から身を守りましょう。

さらに、詐欺被害に遭った場合は、すぐに警察や消費者センターに相談することを忘れないでください。被害を最小限に抑えるためには、早めの行動が必要です。また、被害に遭った経験を共有することで、他の人を守ることにもつながります。詐欺の被害を防ぐために、私たち一人ひとりが意識を高め、周囲と協力していくことが大切です。
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