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昨日の夜ご飯何食べた?(外部記憶の活用)

こんにちは。しんしん心理研究所の心理師Shingo(しんしん)です。
いきなりですが質問です。「あなたは昨日の夜ご飯何を食べましたか?」この回答はまあまあの数の方が答えられるかも知れません。しかし、「1週間前の夜ご飯は何を食べましたか?」と聞かれると多くの人が回答に困るのではないかと思います。
私たち人間の記憶力は驚くべき能力を持っていますが、その一方で限界も多く存在します。情報を正確に覚え続けることは容易ではなく、特に忙しい日常生活においては、記憶に頼るだけでは多くのことを忘れてしまうリスクがあります。そのため、外部記憶を活用することが重要です。今回の記事では、人間の記憶力の特徴を理解しながら、メモや外部メディアを活用する方法とその有効性について考えてみましょう。

人間の記憶力の特徴

まず、人間の記憶力には短期記憶と長期記憶という二つの主要な形式があります。短期記憶は、一時的に情報を保持する機能であり、その容量は非常に限られています。一般的に7±2個の情報しか一度に保持できないと言われています。例えば、電話番号の数字を一瞬で覚えてもすぐに忘れてしまうことがあるのは、この短期記憶の限界によるものです。

一方、長期記憶は情報を長期間にわたって保持することができますが、そのためには繰り返しの復習や関連付けが必要です。新しい情報を長期記憶に定着させるには、しっかりとした意識的な努力が求められます。しかし、現代社会においては、日々の情報量が膨大であるため、すべての情報を長期記憶に残すのは現実的ではありません。

さらに、人間の記憶には「忘却」という自然なプロセスが備わっています。これは生存に不可欠な機能であり、不要な情報を忘れることで脳の負担を軽減し、必要な情報に集中できるようにしてくれます。しかし、この忘却のプロセスが原因で、必要な情報まで失われることがあるため、記憶を補助する外部記憶が役立つのです。

外部記憶とは?

外部記憶とは、人間の脳内に保持するのではなく、外部の手段を使って情報を記録・保持することを指します。メモ帳、ノート、スマートフォン、パソコン、クラウドサービスなど、現代にはさまざまな外部記憶のツールがあります。これらのツールを活用することで、記憶の負担を減らし、重要な情報を忘れることなく、効率的に管理することができます。

メモの取り方とその有効性

メモは、最もシンプルでありながら非常に強力な外部記憶の手段です。メモを取ることで、情報を視覚的に再確認することができ、短期記憶から長期記憶への定着を促進します。例えば、会議中に聞いた内容や読書中の気づきをメモすることで、後からその内容を再び振り返り、深く理解することが可能です。

効果的なメモの取り方としては、次のような方法があります

1. キーワードを中心に記録する

長文を書くのではなく、キーワードや重要なフレーズを中心にメモすることで、後から見返したときに素早く理解できます。

2. 図やイラストを使う

情報を図やイラストで表現すると、視覚的な記憶が強化され、理解が深まります。マインドマップもその一例です。

3. 自分の言葉で書き換える

他人の言葉をそのまま書くのではなく、自分の言葉に置き換えることで、情報の理解が深まり、記憶に残りやすくなります。

外部メディアの活用方法

メモ帳やノートだけでなく、デジタルツールを使った外部記憶も非常に有効です。スマートフォンのメモアプリ、クラウドサービス、タスク管理ツールなどを活用することで、物理的なメモ以上に効率的に情報を整理し、管理することができます。

1. デジタルメモアプリの利用

スマートフォンやタブレットには、多くのメモアプリがあります。これらのアプリは、手軽に情報を記録できるだけでなく、検索機能やタグ付け機能を使って、必要な情報を素早く探し出すことができます。また、音声入力を使えば、手が塞がっているときでもメモを取ることが可能です。

2. クラウドサービスの活用

GoogleドキュメントやEvernoteなどのクラウドサービスを使えば、どこからでも情報にアクセスでき、チームでの共有も容易です。例えば、会議の議事録をクラウド上に保存しておけば、チーム全員が同じ情報を共有でき、抜け漏れを防ぐことができます。

3. タスク管理ツール

外部記憶として、タスク管理ツールも非常に有効です。ToDoリストやプロジェクト管理ツールを使うことで、やるべきことを視覚化し、忘れずに遂行することができます。これにより、日々のストレスが軽減され、効率的に物事を進めることができます。

外部記憶の心理的な利点

外部記憶を活用することで、心理的な負担が軽減されるという利点もあります。人間の脳は、一度に多くの情報を保持しようとするとストレスを感じますが、メモや外部メディアに情報を預けることで、その負担を減らすことができます。これにより、安心感が得られ、他の重要な活動に集中する余裕が生まれます。

また、外部記憶を使うことで、「情報を忘れてしまうのではないか」という不安から解放されます。これにより、心の余裕が生まれ、創造的な思考や問題解決に集中できるようになります。

まとめ

人間の記憶力には限界があり、忘却というプロセスは避けられないものです。しかし、メモや外部メディアといった外部記憶を活用することで、記憶の負担を軽減し、重要な情報を効率的に管理することができます。メモを取る習慣を身につけ、デジタルツールを上手に活用することで、日々の生活や仕事の質を向上させることが可能です。

外部記憶を活用することは、単なる便利さの追求ではなく、精神的な負担を軽減し、自分自身のパフォーマンスを最大化するための重要な手段です。ぜひ、今日からメモや外部メディアを活用し、効率的でストレスの少ない生活を目指してみてください。
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