大蛇め!
これは、私のムカついた出来事である。
さほど親しくない友達にがいた。
友達は、とある宗教に入っていた。
親が先にその宗教に入っていて、
友達はいわゆる2世と言うヤツだ。
イヤイヤ仕方なく友達になった時、
その友達がその宗教に熱心になっていた。
友達になって、そんな日は浅くないのに、
いきなり、その友達に呼び出された。
お前には大蛇が巻き付いて、取り憑かれている!
今からそれを落としてやる!
と、なにか念仏を急に唱え始めるのだ。
正直、怖かった。
おいおい…お前が、何かに取り憑かれてるよ…。
あの…かれこれ2時間経ちますけど…。
もう帰りたい…と思いながら、
あぐらをかいていたが、ずっと同じ体勢に、
私の足が痺れをきらしていた。
無意識にちょっと体をくねらせてしまった…。
それを見逃さなかった友達。
出できたな大蛇め!と
友達はさらに激しく念仏を唱える。
おーい…違うぞ!
ただ…足が痺れただけ!
もぉ…誰か…助けて下さいよ…。
私はただ、それだけを、
ひたすら、祈って祈って、祈りまくっていた。
それから1時間が過ぎようとしてた時、
友達が倒れた。
そりゃぁ、3時間も激しく念仏唱えてりゃ、
ぶっ倒れるわな…。
と思ってたら友達が、
大蛇がお前から離れたくないって、
オレの首を絞めてきたんだ…。
危なかったぜ!
え?何を?どうなって?
私には大蛇なんて見えなかったが…。
思い切って友達に、
あのさ…これいつまで続けるの?
オレ…もう帰りたいんだけど…。
すると友達は、
はっ!大蛇め!オレの友達を操り、
お前は逃げるつもりだな!
はっ!はっ!はー!
そうはさせないぞ!
とまた念仏を唱え始めてしまった。
えー!まだ続くの?
この、時間はもはや地獄である。
全くもって、大蛇の言葉ではなく、
確実に私個人の言葉なのに…。
するとだ、友達は両親を呼び出したのだ。
3人の念仏は、
そりゃとてもとても、恐怖でしかない…。
そもそも…なんで…大蛇なの?
一体…どこから取り憑かれたの?
あの…その説明受けてないんですけど…。
やばい…念仏がだんだん子守唄のように、
聞こえてきた…眠い…。
だが、またここでアクションをおこすと、
大蛇が、どーのこーのと言われてしまう…。
私は何と戦ってるのだ?
大蛇じゃ無い事は…明確…。
ただ…睡魔に襲われてるんですけど…。
大蛇ではなく…睡魔と私、戦ってます。
もう時間の感覚も、わからなくなった。
しばらく続く、この何かわからない、
怖い儀式を、早く終わってくれ!
とひたすら、願っていた。
次第に友達が倒れ、母親が倒れ、
残りの父親だけ、念仏を唱える。
そして、その時はやっと来てくれた!
もう大丈夫だ。
お前に憑いていた大蛇はこの瓶の中に、
閉じ込めたからな。
と、透明なちっちゃい瓶を突き出した。
えっ!大蛇だよね?こんな小さくて、
大蛇入るの?どうしたら、そうなるの?
友達は、
さすが父上。
助かりました。
わたくし一人だとまだまだ、
無理なようであります。
この家族は師弟関係なの?
そして…何が大丈夫なの?
それから友達は、
えっと…ごめんな。
そのぉ…両親も呼んじゃったから、
だからさ…2万円になってしまった。
オレ一人だと五千円で済んだんだけど…。
なーにー?金取るの?
お前ら詐欺師だろ!
人の事バカにしやがって!
ムカついて…私は強硬手段に出た。
いきなり体をくねらせて、
ヤバい体が…勝手に…動く…。
おい!
退治…してくれたんじゃ…ないのか!
助けてくれーと叫びながら、
全力ダッシュで逃げました。
すぐに友達から、
お金の催促されたが、
ちゃんと退治されなかったのに…。
そんなんで、お金なんて払えないよ!
もーお前、どうしてくれるんだよ!
と言ってから、友達からは、
それから連絡すら来なくなりました。
まだムカついていたので…
交番に行きました。
軟禁されました。
ひたすら数時間にも及び、
訳分からない念仏唱えられ、
取り憑いていた物を退治したから、
2万円よこせと言われました。
危うく詐欺にあう所で逃げてきました。
お巡りさんも、暇そうだったので、
注意喚起して回ると言ってくれました。
しかし、2万円って…
ぼったくりにしては、
良心的かもしれないな。
友達割引してくれたのかな…。
とりあえずもう二度と来ませんように…
念仏唱えよう。
なんまいだー、なんまいだー。