【 落語の雑則 57】 声を張らない
「男一匹ガキ大将」
「明日のジョー」
中学生の頃
ケンカがかっこいいと
ワルに憧れた
結局は
童顔過ぎて
その道は諦めたのだが
ケンカのやり方は
ずいぶんと友達と学んだ
そのひとつが
腕を伸び切らして殴らない
こんな事を思い出したのも
声を張って
がんばって喋っていると
自分は
やってる感まんまんだが
明らかに
芸が伝わっていない
と思う事があるから
伸びきった拳に力は無い
張り切った声にも
力は無いのかもしれない
中学生の頃の遊びに
プロレスごっこがあった
コブラツイスト
四の字固め
テレビで見た大技を
痛くないように
気をつけながら
笑いながら
かけ合う
ところが
それが
思いのほか
あっさり
出来てしまって
驚いたものだった
今にして見れば
あたりまえだが
ごっこだからに他ならない
おっと
もしかしたら
この
ごっこがいい技を見せるコツ
なのかもしれない
うむ
真剣勝負で落語をしない
ごっこで落語をする
声を張り切って落語をしない
余裕ある声量で落語をする
そうか
ごっこだと思えば
勝ち負けではない
楽しいかどうかである
ごっこ遊びの余裕で語る
そんな落語を追求したい
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落語を考える事は限りなく深い森の姿を探求する旅のようなものです。森の中にいる私には、森の外から見ての意見で、見えないものが見えてくると思います。そして、一人より二人、二人より三人と、誰かと一緒に考えて行きたいです。スキ、コメント、サポート、みんな大歓迎です。よろしくお願いします。