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SNS投稿の保存 20181128 ミドルシニアのキャリアデザインについて今後の模索

◯◯ 様

はじめまして、株式会社遭遇設計の広瀬眞之介と申します。

本来なら他人のコメント欄で応酬は控えるのですが、Aさんの投稿にではなく私のスレッド内にコメントされているので、私も該当すると認識しお応えします。

また、最近Aさんとは情報交換をしました。その中の一部でシニアミドルの雇用についての問題を話し合い、その中でそれについてどのような解決策を用意すべきかを話し合っております。その続きの話なので前提となる情報がここには記載されておりません。

少なくとも広瀬の認識では、Aさんが差別を推奨しているとは思えないことを付け加えます。

さて、その上で、私はこの問題に対して3つ意見がございます。

1.年齢要件は、差別に時と場合によりなる or ならない。
2.現実的に今ミドルシニアが既得権益を捨ててまで受け入れるか?
3.ポリティカル・コレクトネスと似たような問題にならないか?

1.年齢要件は、差別に時と場合によりなる or ならない。

雇用条件に年齢による条件があった場合「それは差別になり得るか」ですが【時と場合によりなる or ならない。】と認識しております。

下記みずほ総合研究所の資料です。こちらを例にご説明します。

https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/research/r070601management.pdf

例えば、アメリカは、1967年に成立した「雇用における年齢差別禁止法( The Age Discrimination in Employment Act of 1967:以下、ADEA)」が存在します。

>採用、賃金、解雇、労働条件など雇用のあらゆる場面で、年齢による差別が禁止。

ただし、

>適用対象が40歳以上の労働者に限定されており、従業員20人未満の企業や自営業者にも適用されない。また、米国では90年代以降の判例により、高賃金を理由とする賃下げや解雇など、間接的に中高年齢者に不利益をもたらす措置が違法な年齢差別とみなされる可能性が低くなっています。

>米国では期間の定めのない雇用契約については、労働者および使用者がこれを自由に終了させることが出来る「随意的雇用原則」が一般的に認められており、ADEAによって定年制が廃止されても、業績悪化などの理由に基づいて高年齢者を含む労働者の雇用調整を行うことは企業にとって必ずしも困難となっていない。

とあります。

つまり、アメリカですら一定の条件のもと(例えば小規模な企業など)現実的に厳しいものについては年齢による区別を違法と見なしておりません。


2.現実的に今ミドルシニアが既得権益を捨ててまで受け入れるか?

また、日本型の雇用と、他国の雇用では大きく違う点が存在します。

雇用条件による年齢規約排除は、同時に年功型処遇を削除します。

今雇われている人達の「終身雇用制」+「年次制度」

これらを排除してまで、雇用条件に年齢を排除することに当事者たちがどこまで賛同するでしょうか?

また現時点で排除したとしても、既にその恩恵を受けた人達が返金をするでしょうか?

これは世代によって、利害が不一致してます。

これを乗り越えるための対話をする気がない人は、単純に「俺の取り分を増やせ」というだけの人なので、その人達同士では解決は難しいでしょう。

つまり、個人最適ではなく全体最適を考える人でないと、そもそも議論のテーブルにつく意味さえ他の世代にはありません。

ちなみに若い世代はこれを受け入れる可能性が高いです。

なぜかというと、現時点で一番不利なのは若者だからです。

彼らは、今後先の世代のような昇給や、昇進を望めるとはとても思っていません。

年齢による差別がなくなると、実力主義になります。

その実力主義になった時にこぼれ落ちやすいのはミドルシニアだと私は考えます。

理由としては、終身雇用によって守れてぬるま湯につかったまま進化しなかった方が多いので、彼らのスキルやマインドセットが現状の雇用条件に合致しにくいと思います。

(もし、合致していると仰るなら、60歳や、65歳の定年退職者がどんどんキャリアアップしていくはずです。が現状はそうなっておりません。)


3.ポリティカル・コレクトネスと似たような問題にならないか?

最後に、現状、日本では年齢による雇用条件があります。

何の条件も書かないで応募すると、採用基準に満たない人も来ます。

ただ、応募が来ても弾くだけです。

新卒採用の学歴フィルターを削除した結果、学歴では応募を取り下げられないものの、ほとんどがやはり採用されずに落ちます。

応募してもしても、落ちる。

事前に要件が書いてあれば、そこに無理して応募せずに済んだのに、それがないので落ちる可能性が高いところもそうとは知らずに応募し続けなければいけません。

これは果たして、労働者にとっても、雇用者にとっても良いことなのでしょうか?

どちらかと言うと、事前に条件を明らかにして、互いにとって不要なリソースをかけないでいさせてくれる方が、優しいと私は思います。

しかし、この問題を差別だと言って口を閉ざさせるような真似をするのは「ポリティカル・コレクトネス」の問題につながると思います。

政治的に正しい言葉使いを志向した結果、現実を踏まえた対話できなくなる。


どうするか?

これらの問題に対し、私はシニアのキャリア相談をもうひたすら受けていますし、自分の親父を含めて中高年の仕事づくりやそのサポートをしています。

また長期的には、ラベルによる区別そのものがなくなるようにすればいいと動いております。

要は、<仕事に対する実力やチームとの人間関係が築けるか?>を判定する方法がなく、学歴や年齢、職歴その他を頼らざるを得ないのが問題の根幹だと考えております。

単純に実力だけで判定できれば、ラベルは意味を失います。

(そのかわり、あの人は高齢者だから雇われないとか、うつ病だから雇われないではなく、実力がないから雇われない。に変わりますが)

長くなりましたが、貴殿のご意見をおきかせください。


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