これがホントのお土産話。
なんだか速度がやたらと遅い。
新幹線に乗ってるはずなのに、普通列車に乗ってるみたいだ。
福岡から初めて東北の地にやってきた私の気持ちが早る。
目的の山形まであと一歩。あと30分で到着だというところで、突然アナウンスが流れ始めた。
「只今、落ち葉の影響で列車の進行が遅れています。次の駅で3時間ほど停車致します」
え!落ち葉の影響!?
そんな理由、初めて聞いたゾ!
聞けば、大量の落ち葉からは特有のオイルが分泌し、線路のレールがぬるぬるしてしまうらしい。列車はその上を上手に走ることができないので、レールに土を被せて乾かし、元の状態に戻れば再開可能とのことだ。
落ち葉。
そんな理由がこの世にあったのか。
確かに車窓からは、黄や赤の美しい紅葉が。
こんなに素敵な絨毯に停められた列車なんて、風情と可愛いさで、なんだか憎めないじゃない。
遅延がなんだ、停車がなんだ。
これは山形に迎え入れられた色節として、きっと心に留めておこう。