海にうかぶ小舟[ショートショート]
「班追放だ、班追放」
数日前の終礼で不用意に発した私の言葉が、そのまま刃となって自分に返ってきた。
クッと胸からひろがったセメントのよう緊張が、私の全身を固まらせていく。
え……班追放て。私……が?
いつもならできるごまかしもきかない。その余裕すらない。胸で抑えきれない何かが爆発して、喉にせり上がってくる。緊急事態だ……。
もう涙が溢れてきてしまってるのがわかった。
こぼれなきゃ、みんな、わからないに違いない。そうきっと、わからない。
私はトイレにかけこんで、制服の赤いタイを