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ケープタウンの雲の赤ちゃん

毎日雲を見ない日はないというくらい、雲は馴染みのあるものだが、雲ができる場面は見たことがない。ただ夫婦で旅行したときに一度だけ雲が生まれるのを見たことがある。

ケープタウンの喜望峰に近い港からアザラシ島に行く船に乗り、海上を見ていると、水蒸気がほわっと湧き上がって、白い薄布か綿のように漂っているのが見られた。風に流されて上昇するに従い、私たち夫婦は、「雲の赤ちゃん」と呼んで喜んでいた。雲の赤ちゃんは、だんだんと成長して、次第に大きくなっていった。アザラシ島に近づくにつれて、長い雲が海岸の崖にぶつかり漂う光景が見られた。

バスでその日に泊まるケープタウンに着いたらテーブルマウンテンという頂上が平らになっている山に海岸から運ばれた雲が長い尾を引いたように漂っていた。あの雲の赤ちゃんは、こんなに大きくなっていた。

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