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トルティーヤと防災食品

トルティーヤが安いので、2、3ヶ月前に多めに買った。消費期限が10月20日なので、まだまだ余裕があると思っていたら、気づいたら10月に入っていた。あわてて、冷蔵庫から取り出して、妻と「消費期限がまだ先だと思っていてもすぐに来ちゃうね」と言いながら、たくさん食べた。消費期限がまだ先だからと油断した話から、昔の防災担当だった頃のことが思い出された。

防災食品の消費期限は10年というものが多い。一職場で災害時に必要な食品を用意しておくことになると、使用ローテーションという問題にぶつかる。まとめて用意すると10年目に全ての消費期限が来てしまうので、毎年10分の1ずつ用意することになる。10年の消費期限があるからと油断してはいられない。要するに毎年用意した分だけ消費しなければならないのだが、これが大変だった。年に一度の消防訓練時に試食をしても、食事一回分である。しかも食べた防災食品は美味しくなかった。シチューも乾パンも普段では食べる気になれない。防災時にはまずい等とは言っていられないのだろうが、もう少し普通に食べられる味になるとよいのだが。
防災食品を管理している組織は同じような悩みを抱えているのだろう。

各家庭では、日持ちのする食品を防災用に保管しているようだが、これなら目が行き届き、ムダがでない。やはり職場でも日常使う食材を多めにストックする方が良いのではないか。職場内に食堂や売店があれば、そこと連携することや、社員個人が飲料やカップ麺を保有することも考えられる。問題の要因は、防災食品として日常の食品とは別のものを製造し、倉庫に保管したきりにすることなのだろう。ある程度のストックはしても、過剰は避けて、日常生活の中での備えにシフトできないものだろうか。

トルティーヤのことから、こんなことを思った次第である。

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