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アーくんが笑った

アーくんが笑った。
じーじが、イーッと口をいっぱいに広げて笑ったら、アーくんの口元がゆるんで、うれしそうに手を動かして笑った。

生後4が月目になった。人間の表情が読み取れるのだろう。笑い顔に反応している。表情が読み取れることは、コミュニケーションに必要なことだ。笑い顔が理解できないと相手の心が分からなくなり、行きていく上で支障がでる。乳児は、周囲の笑い顔で安心し、自然と笑うようになる。上手くできているものだ。

絵に描いた笑顔では、笑うかどうか、イタズラをしてみた。紙に口を大きく開いたニコニコ顔を描いて、それをアーくんに見せた。しかし、しかめっ面をしたままで、紙に描いた笑顔には全く反応しない。

次に、アーくんの笑顔の写真をスマホで撮って見せたが、これにも全く反応しない。やはり、本物の顔でなければダメなようだ。偽物を見分ける素晴らしいこと、大きくなっても、きっと下心ある笑いを見抜いていくことだろう。

アーくんが笑うのは、笑う親たちの顔を見て、学習した成果なのだろうか、それとも生まれながらの本能なのだろうか。

人の表情を読み解くことは、容易だが、動物の表情になるとなかなか分かりにくい。犬猫の愛好家ならその顔から犬猫の気持ちを察せられるのだろう。表情が豊かな猿の顔は、笑っているように見えても歯を出すことで威嚇していることもあり、笑い返したら、敵対心があると思われて攻撃されるかも知れない。また猿の笑ったような顔は、愉快だから笑うのではなく、強い相手に対して自ら劣位にあることを示すものだったりする。やはり人間同士の方が分かりやすい。

アーくんの笑いは、安心な状態から出てくるものだ。その無心の笑いを見ると、大人たちも幸せな気持ちになる。

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