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天使のハシゴ
夕方、西の空を見ると雲の合間から放射状に光線が降り注いでいた。神々しい。この天上と地上をつなぐ光の道は、天使のハシゴと言われている。
天使のハシゴの名称は、旧約聖書創世記に記されたヤコブの夢に由来するそうだ。
ヤコブは旅先でこんな夢を見た。それは、「一つのはしごが地の上に立っていて、その頂は天に達し、神の使たちがそれを上り下りしている」というもの。ヤコブは、アダムから数えて21世代目になる。その間にノアの箱舟、バベルの塔、悪徳の町ソドムの崩壊、そして約束の地カナンに住んだアブラハムの話がある。アブラハムの子イサクの子がヤコブになる。
ヤコブと兄エサウとの間に、相続トラブルがあった。父への祝福をする者が長子権を持つ。ヤコブは、兄のふりをして、目がかすんで見えなくなった父に食べ物を与え祝福し、兄を怒らしてしまう。
父イサクから、この土地を離れ、母の兄ラバンの娘ラケルをめとるように言われた。そこで、ヤコブは、父母の住むベエルシバを立って、母の兄ラバンがいるハランに向かった。旅の途中で天使が階段を上り下りする夢を見、子孫が神の祝福を受け繁栄するという神のお告げを聞いた。ヤコブは、そこに柱を立てて油を注いで、神の家とした。その地はペテルと名づけられた。
ハランに着いたヤコブは、伯父ラバンの姉妹レアとラケルをめとった。姉レアは目が弱く、妹ラケルは美しく愛らしかった。姉妹の間に出産争いがあったが、たくさんの子に恵まれた。
やがてヤコブ一族は、家畜の頭数が増え豊かになった。
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以前、成田空港に着陸するときに、雲上から降りる飛行機の車窓から天使のハシゴを見た。天使のハシゴの中を飛行機は地上へと舞い降りて行った。
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