半世紀前の貯金箱の10円玉を数えたら
買取業者が押入れからこんな缶がありましたと出した缶を見ると10円玉がたくさん入っていた。昔懐かしい不二家のクッキーの缶だ。ずいぶん昔、10円貯金をしていたことを思い出す。
暇に任せて、発行年ごとに枚数を数えてみた。全部で1132枚あった。昭和48年をピークに激減し、50年以後は少なくなっている。がんばって貯金をしたのは、昭和49年までで、後は気が向いたら入れていたようだ。
発行数と相関
グラフを見ると、貯金の数と発行数が見事に相関関係にあることが分かる。共に昭和42年が少なく、貯金数で昭和48年が最多だが、発行数は昭和49が最多だ。これは昭和49年に貯金努力が低下したからだろうか。こんな小さなことは、自分のことなのに覚えてないものだ。
残存率
発行数が生まれた数であるのに対して、貯金の数は生きている数だから、生存率(残存率)は遡るに従って少なくなることが考えられる。実際はどうなのだろう。
発行枚数から昭和48年の275枚を基準にして、発行枚数を計算して、これを調整枚数とすると、47年は調整枚数129.82枚だが、貯金の数は130枚とほぼ同じで、100%残存している。46年は調整枚数124.82枚、貯金の数95枚で残存率は76.14%・・・・34年は調整枚数12.76枚、貯金の数6枚で47.03%である。(下表) なだらかに残存率が下がっていくと美しいのだが、デコボコしていて、世の中、思うようにはいかないものだ。サンプル数が多くなれば、キレイに下がるとも思われるが、一応、古いほど少なくなることは言えそうだ。当たり前と言えばそうなのだが、そう思える結果は出た(と思いたい)。
結論
10円玉を1000枚貯めたら、各年の発行枚数と貯金の数が相関していて、古い方が新しいものより残存率が低いことを、垣間見た。数が少ないので、統計的な信頼性は低いのだが。
あの頃は、新しい硬貨を貯金したようで、昭和48年のものは、半世紀を経た今日も、作ったばかりのように赤銅色にキラキラ輝いていた。発行枚数が少ないレアな昭和42年硬貨は、使わずに取っておこう。