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何故人は交差するとき目の前を突然突っ切るのだろう

混み合った駅構内で目の前をさっと通り抜けられることがある。対向していても、平行だと良いのだが、斜めに交差するときに、よく出現する。また、後ろから来て、目の前を斜めに通り過ぎることがある。真っ直ぐ歩いているときの、相手の斜め行動は予測がつきにくい。突然の事にびっくりする。多くの人は、目の前を突然に突っ切られることに不快を感じるが、それは、人の進路を防ぐことは礼を失していると考えられているからだろう。

何故人は交差するとき人の目の前を急いで行くのだろう。理由は、衝突を避ける一種の回避行動かと思われる。では、何故、急ぎ足で突っ切ろうとするのだろう。回避行動には、アクセル型とブレーキ型があり得ると思う。

①アクセル型は、交差する人よりスピードを出して動く。人より先に行きたいという競争心から来ているとの解釈もできるし、ひとりが急ぐことで、交差状況から速やかに抜け出せるとも言える。一方で、スピードを出して歩くことは、危険行動であり、リスクが伴い、相手を不快にさせてしまう。

②ブレーキ型は、少し速度を緩め、相手が自然な速度で通り過ぎるのを待つ。時にタイミングを逸すると譲り合いになってしまうだろう。結果として、アクセル型より交差状況から抜け出すのに時間はかかりそうであるが、安全であり、不快感を感じさせない。速度を緩めたときに互いに相手を見て会釈する余裕ができると思う。

こう書くと自動車の運転ルールに似ていているようだ。教習所では、危険は、ハンドルやアクセルで回避するのではなく、ブレーキで回避するように習った。心に余裕があるあわてない運転が必要である。人の交差時に社会的なルールがないのは、密集した都市社会になってまだ日が浅いからだろう。

上記とは少し違うと思えるが、角での出会い頭の衝突というのがある。実際にぶつかることはまずないだろうが、左右に避けると相手も同方向に避けてしまうことがある。経験では、どうも内側に行き、回避しようとすることが多い。明らかに一方が壁に近いのに、他方が壁側に近づこうとするのは、何か心理学的な要因があるのだろうか。

何故人は交差するとき目の前を急いで行くのか、何故人は通りの角で双方内側に行こうとするのか、どうすれば、互いに不愉快にならない社会行動は取れるのか、すでに社会行動学の研究があるのか知らないが、人間の課題として、なかなか興味深い。



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