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皆それぞれの中秋の名月

近くに住む人から、「今夜はお月見ですが、この暑さ異常ですね。いかがお過ごしですか」というメールをいただき、ベランダから見える月の写真を送ってくれた。そうか今宵は、中秋の名月かと慌てて、ベランダから東の空を見ると光り輝く大きな月が昇っていた。

教えてもらったことがありがたい。昨年の名月は、雲に隠れていて、また、十六夜の月は、東空に輝いていたが、すぐに雲に隠れてしまった。今夜は雲がなく、絶好のお月見だ。

知り合いは、どうしているのだろう。いろいろな人からメールをいただいた。幸運にも名月を見られた人、雲がかかって見られなかった人、何時間も待って、やっと切れた雲間から光り輝く月を見た人等いろいろだ。月を見た場所や時間により、同じ月だが、それぞれ違っていることの不思議さを感じる。

ある人からのメールは「息子とうさぎを見つけた」というもの。「ほらあそこにうさぎが餅つきしているよ」と話す親子の姿が目に浮かんでくる。ある人は、お孫さんと電車を見に外にいたら、18時頃によく見えたが、それから雲に入ってしまったとのこと。わが孫と同じで、お孫さんは、電車が好きなんだ。

その頃、孫は、お父さんとだんご粉でお月見団子を作っている。できあがったお団子は美味しそうだ。月は雲の間を彷徨っている。孫は、保育園で作った望遠鏡で夜空を見つめている。8時半頃に雲間から月が出たと、娘からの写真が送られて来た。

ある人は、同じように、月を待ってやっと8時半頃に雲の切れ間から煌々と輝く月を見たと言う。また、ある人も窓側で雲に霞む月を見ていたのだろうか、「うちの窓からは10時前が一番よく見えた」と言う。

ある人から「遅くなり、かなり上った中秋の名月と対面、月には、団子とススキ〜残念ながら穂はまだ出てない芒の葉と漸く咲き始めた萩のひと枝を飾って、年一度の名月を愛でたが、今はおぼろ雲がうっすらかかってきた」と言うメール。芒(のぎ)は、やわらかな穂になっていない、まだ稲のような棘の状態か。名月に団子とススキと萩の花、風流だな。

中秋の名月は、普段の月より大きく煌々と輝いていた。しかし、東京、千葉、埼玉をみても雲のない地域やある地域がある。名月が見られた人、見られなかった人がいる。出た月がすぐに雲に隠れてしまったり、じっと待ってやっと見た人もいる。「遠く離れても同じ月」なのだが、置かれた状況は、人それぞれ違う。同じ月でも人それぞれなのか。皆、人それぞれの中秋の名月だ。

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