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運動会―かけっことマスゲーム
秋日和、孫の保育園の運動会があった。孫は、かけっことパラバルーンというマスゲームに出た。
先ずは、かけっこ。用意ドン! 走り出す園児の様子を見てから、走る孫。競走ということを知らない姿にいいなと思う。何か共鳴するものがある。
次いで、パラバルーン。円形の大きなビニールの端を園児たちがつかんで、ビニールを揺らす。揺らし方で風にそよぐお花畑のように見える。たくさんのボールを上下に揺らしながら弾くとポップコーンが弾ける感じになる。園児たちが一斉に真ん中に集まるとビニールが丸く膨らみ、園児が寝転ぶと麦わら帽子のようになる。先生がビニールの下に入り、立ち上がるとテントになった。そのまま、園児たちがぐるぐる走り出すと遊園地のメリーゴーランド。これは楽しい。
気を合わせて、一斉にビニールを持つ手を挙げると乗っている紙吹雪が花火のように飛び上がってきれいだ。最後はビニールの家ができて、ビニールが取り除かれると園児たちはが整列して最後にあいさつした。
園児たちは皆気を合わせて、同じに動き、楽しそうに笑っている。
この共同作業という大人でも上手くできないが社会には不可欠な行為を園児たちは、楽しんでやっていた。かけっこには全く競走心のない孫が楽しく演じていた。
人生は、競走で勝ち続けることはできない。勝敗をインセンティブにすると続かない。不要なストレスがかかり、幸福感と縁遠くなる。それは相対的なもの。
しかし、共同作業は楽しみ続けることができる。楽しいというインセンティブに勝るものはない。それは絶対的なもの。
これが、今日、保育園の運動会で見た、かけっことマスゲームから受けた印象である。社会は、競走することで進歩するのか、協力することで進歩するのか、社会を良くしていくものは、はたして、どちらなのか。人間は、どちらが幸せか。そんなことを思わせる運動会だった。