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一世代は何年?

学生の時のこと。「一世代は何年ですか」と教師が問う。

ひとりの学生が25年と答えると、教師はうれしそうに「25年、じゃあ僕と君たちは同世代だ!」

25年、確かにそんなものだろうと思った。しかし何かおかしい。教師と同世代とは思いたくない。いろいろ考えた。そして、「一世代は何年」の世代の意味と同世代の意味が違っているからなのだと結論づけた。

世代を狭義に言えば、小さいころから同じ音楽を聴き、同じアニメを楽しんで育ったといった、成長過程での類似文化体験を持った世代といえる。同世代は、せいぜい10年内といったところだろう。

一方、広義の世代とは、子が子を産み、その子がまた子を産むといった生物的な交代の間隔のことである。最初の子を産んだ年齢の平均が一世代になると思う。

例えば、100年の間に子どもを産むことを4回くりかえすと一世代は25年である。徳川将軍は15代まで続いたが、世代数は家康から慶喜まで10世代になる。家康の生年(1543年)から慶喜の生年(1837年)までの294年を9で割ると32.6年になる。

明治維新は、155年前だが、私の子どもたちにとっては高祖父が生きた時代である。ちなみにひとりの高祖父は1858年生まれ、私の子のひとりは1988年生まれ、その130年間に5世代が4回交代しているから、4で割ると32.5歳になる。徳川将軍と似たような結果になった。広義の世代は30年前後といったところか。

「一世代は何年ですか」を数十年を経た今、再考している。


          



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