木根川橋 さだまさし 紀行
さだまさしに「木根川橋」という歌がある。その木根川は利根川をもじったさだまさしの創作と長く思っていた。歌詞に曳舟、押上、浅草、荒川土手の地名が出てくるのに、まったく木根川橋 が荒川にかかる橋とは気づかずにいた。 あるとき墨田区の地図を見ていると、息子の住む近くに木根川橋という橋が本当に荒川にかかっていて、その先に 木下川薬師があることを知った。いつかそこに行ってみたいと思い、昨年、息子に連れられて、妻とともに木根川橋を渡り、木下川薬師(青龍山浄光寺)に行った。日差しの明るい秋の日だった。孫がいつのまにか息子に抱かれて眠っていた。
江戸名所図会よると、木下川(きげがわ)は、亀毛川とも書き、土地の人が「きねがわ」と言うところから杵川とも記すの記述から、木根川でなく木下川の表記がもともとは正しいようである。木下川薬師は、「江戸名所図会」では「きげがわやくし」と書かれているが、今は「きねがわやくし」と呼ばれている。伝教大師(最澄)が作った薬師如来像が安置されている、慈覚大師を開基とする古刹である。薬師如来像を作ること半ばにして、薬師如来が伝教大師の夢枕に現れ、東国の民を救うために行かんと思うとのお告げがあった。そこで、翌日下野に帰国する僧広智に像を託した。僧が武蔵国にたどり着いたとき、翁(実は白髭明神)が現れ、わが草庵に安置しべしと言われたので、この翁に薬師如来像を託したのが、木下川薬師浄光寺の縁起と伝えられている。
帰りは、綾瀬川に架かる橋を渡り、荒川との間の土手から木根川橋にもどった。スカイツリーが西の空にくっきりと浮かび上がっていた。
歌詞にある白髭神社には行かなかったので、今度いつか「木根川橋から水道路を抜けて白髭神社の縁日」のコースを辿ってみたいと思っている。最後に、水道路というのは、金町浄水場から引かれた水道管が道路の下を通っているのでそう呼ぶらしい。荒川から先にも伸びていて、かつての荒川に架かっていた水道橋は、今は河川の下を通っているということを知った。
【参考】
水道路(すいどうみち)。柴又~高砂~青戸 - おやじのつぶやき (goo.ne.jp)
2022.12.24
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