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不思議な天気 雪と晴の境

昨日は午前中に雨が降ったが、正午過ぎに青空が見えた。外に出てみると傘をさしている人がいる。まだ雨だった。折り畳み傘を広げたが、雲間には透き通った青空が広がっている。空が晴れても雨が降るアイルランドのような・・・丸山薫の「汽車に乗って」の詩はどんなだったかな。そんなことを連想させる不思議な天気だった。

かつて出かけたスキー場はあいにくの雨、冷たい雨が服を濡らした。スキーリフトに乗って上がっていくにつれて雨が雪に変わった。上空に行くほど温度が下がるのだから別段不思議ではないが、短時間の雨から雪への移り変りをリフトに座ったまま体験できるのはスキー場だからだ。

それよりもっと不思議な童話の世界のような晴れと雪の境を見たことがある。片足に雪が降り、片足は晴れているそんな不思議な天気だった。

それは角館に職場旅行に行った時のこと。角館の武家屋敷を歩いていたが、通りの向こうから遅れて来たMさんが歩いてくる姿が目に入った。その方向に歩いて迎えに行きMさんと出会った。するとその場所は、晴れと雪の境目で、こちらは晴れて、あちらは雪が降っていた。会った時の挨拶は、「こっち側は晴れであちら側は雪ですね」だった。わたしたちは、晴れの世界と雪の世界を行ったり来たりしてしばらく楽しんだ。

晴れと雪の境い-雪国の人たちにとっては珍しいことでもないのかもしれないが、雪の降らない地域に住んでいる者にとっては生涯めったに経験できないことだった。

2022.12.14

角館


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