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甘夏は大きくて皮が厚すぎないか?

家の甘夏が今年も沢山実ったよと友人が言う。毎年、聞かされる話である。

私は、突然に「甘夏って大きくないか。それに皮が厚すぎないか。」と言う。友人はけげんな顔をする。

「甘夏があんなに大きかったら、鳥がくわえて持って行けないよな。それにあんなに皮が厚かったら鳥が突っつくのができないよな。要するに生存に不利ということだ」
友人は次第に分かった顔をする。

「動物は他の動物を食べて生きながらえている。一方、果実は動物に食べられて種を運んでもらい繁殖している。大きくて皮が厚い甘夏は生存に不利だな。進化論的には考えにくい。」
野生の猿がいる場所なら良いのだろうが、今は都会には鳥しかいない。

友人が「きっと人間が作ったものだよ。接ぎ木だよ」と言う。「そうか、人為的に作られたものなら、大きく皮の厚い蜜柑もあるな」と私。果して人間が人間のために大きくしたのか。あるいは昔からある果物なのか。種からは育たないのか。とにかく栽培植物であることは間違いない。人間に保護され生存しているから、自然進化系の外にいる。だから、大きくて皮が厚くても生きていけるのか。

何故、甘夏が大きくて、皮が厚いのかという、とりとめのない閑話であった。

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