3の不思議
TBSの夕方の報道番組で、神奈川県厚木の紹介をしていた。そこでは、ホルモン焼、鮎料理、温泉郷が紹介されて、養豚場の存在、相模川を流下・遡上する鮎、大山街道の宿場を説明していて合点したが、それ以上に3点ということに興味を持った。確かに3点は頭に入りやすい。
かつては人気歌手にも御三家というのがいて、私世代だと誰々と分かる。3人だとトントントンと思い出せる。3には記憶しやすくする魔力がある。少なくもなく、多すぎる感もなく、ちょうどよい。ある民族は、数を3を超えるとたくさんでまとめるということを聞いたことがあるが、記憶違いか本当か分からないが、3までが認識しやすいのか、それらしく聞こえる。(4か5まで数えて、それ以上はいっぱいと数える民族もいるらしい)
3では、日本三景、三名園がある。いずれも松島、天橋立、宮島と、また偕楽園、後楽園、兼六園と、多からず少なからずの覚えやすい数だ。三題話というのもある。3つの事柄をすじの通った話に上手くまとめるのだが、2つではすぐつながってしまうし、4つ5つとなるとゴチャゴチャしてくる。3がよい。
三割打者の3打席に1回ヒットすることは、高い技術力を示している。それなら三度目の正直は、実現すれば幸運ということになる。伯母がトランプのソリティアを3回に1回上がればラッキーと言っていた。3は幸運の数字なのかも。
昔、お釈迦様が悟りを開き、それを仏の法として、人に説いたときに、仏教が生まれたとされ、釈迦、仏法、僧侶の仏法僧を三宝というそうだが、これなど3の妙理である。
人間も3人になると立派な社会といえるものになるようだ。2人だと友だち、3人だとグループになる。「三人寄れば文殊の知恵」という諺もある。3人で話すと妙案が浮かぶというのだが、2人だと白黒と意見が対立して、こう着状態になりやすいが、もう一人加わると新たな視点から解決策が見出されるということはあり得る。
こう見てくると、3は不思議な数である。人間の脳の作用に深く関わっていると思うが、3つに分けるときは難しく、不便なこともある。丸いケーキを3つに分けるのは4分割より難しい。円に内接する正三角形が分かれば、3つの頂点から垂線を下ろして、3分割ができそうだが、正三角形を見つけるのに時間がかかりそうで、グズグズしているとお父さん、早くしてと子どもに催促されてしまう。
厚木の三題話から、3の不思議を思ったのだが、とりとめのない話になった。