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カクテル話
レストランに入り、息子がサワーを注文した。呑兵衛ではないが、味わう程度に好きなようだ。酒は飲まない自分もどんなものがあるのか興味がわき、メニューを見たら、cocktailの文字が飛び込んできた。「コックテイルは鶏の尾だよな」と息子に言う。
「ここでは、鶏の尻尾が食べられるのか」
一瞬興味がわくが、よく見るとドリンクの写真ばかり並んでいる。cocktailは、カクテルかとやっと理解したが、はじめてその綴りを知る。
カクテルは、何で「鶏の尻尾」なんだという話になる。
今は便利なもので、スマホを手にとった息子はあっという間に答えを見つける。
バーテンダーが鶏の尾の形をした木の枝で、ミクストドリンクを作っていると、その様子を見ていたイギリス人がそれは何だと尋ねたところ、バーテンダーは木の枝のことを聞かれたと思い、スペイン語で "cola de gallo"(コーラ・デ・カジョ)と答えた。これが"tail of cock"になり、cocktail(カクテル)になったとか。発音は、コックテイルではなく、カクテルに近い。
カクテルは、スペイン語ではcóctelで、発音はコックテルと聞こえる。カクテルは、cola de gall(コーラ・デ・カジョ)でもgall colaでもない。
他にも語源はいろいろあるらしいが、アルコールに果汁等を混ぜたドリンクは、古代ローマ時代からあるようなので、特別変わった飲み方ではない。いろいろな果汁を混ぜたジュースを単にミックスジュースというようにありふれたものだ。ありふれた当たり前すぎるものには名前はない。独創的なものには名前がある。
この話のバーテンダーも当たり前のミクストドリンクの名前を聞かれたとは思わず、鶏の尾の形の木の枝の方を独創的なものと思っていたので、コーラ・デ・カジョと言ったのだろう。当たり前のものと目新しいものは、人により違うようだ。
カクテルの語源は、↓にいろいろある。