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One More Flower

最近プロレス界は悲しいニュースが多いですね。ただでさえ興行ができなくて経営も苦しい、選手たちもどうすればいいか悩んでいる。そんな時に訃報も立て続けで。つい先日は元WWEのシャド・ガスパードが事故死していましたが、今日のニュースは発端が発端だけにプロレス界だけにはとどまらない事態になってますね。

俺は胸を張って「スターダムファン!」って言うほどではないのですが地方では珍しく年2回来てくれたりするのでむしろ地元帰ってからの方がよく見てます。

木村花選手は名前の通り花があってレスラーとしてもまさにサラブレッドって感じでいずれはWWEとか世界で活躍するって言われてましたし、そうだろうと思ってました。ジュリア選手との抗争も楽しみだったり。

ただ残念なことにテラスハウスでの出来事がきっかけで酷い誹謗中傷を受け続けたせいなのか、こういうことになってしまった。実際はまだ分かりませんけど、SNSでの罵詈雑言は事実であり、母親の響子さんのツイッターにも酷い言葉が並んでました。

花という名前は本名で、由来は知らないけどやっぱり花から連想するのは「キレイに咲いて欲しい」ってことなのかなぁと思うと本当ツライので考えないでおきます。

最近の世相のせいかTwitterで醜悪な罵詈雑言を書きなぐってる人たちが大勢いますが、それ全部みんなが見てますからね?批判と罵詈雑言の誹謗中傷は別ですよ。そこから見えるのはひどく惨めな書き手の人間性ですよ。そこに悪意があっても悪意で返すのはダメだとある素晴らしい作品のセリフにもあります。その醜悪な言葉の羅列で胸を張っていられたらちょっとその精神性こそ気にした方がいいですよっていう。

話ずれましたが恐ろしいことに今度はその誹謗中傷をした人たちやテラスハウス番組アカウントへの誹謗中傷が起きてます。そんなことをしなくても、この国ではちゃんと法で裁けるはずです。それをやるのは親族や関係者だし、第三者がいがみあってても結局さらに関係者を傷つけるだけです。

ところでこの件に関して、スターダムの選手はもちろん、スターダムからWWEに移籍したカイリさんやイオさんからも哀悼のコメントが出てるし、なんなら二人が日本時間夜中の花さんの不穏なツイートをあっちは昼間だったのでちょうど見て日本にいるロッシーさんや叫女さんに連絡して…って経緯があるようですが、それは置いといて、さらにASUKAさんだけでなく他の女子や男子スーパースター、AEWとまあ世界中のプロレスラーが #RIPHanaKimura のハッシュタグでツイートされてますね。

木村花というプロレスラーを知らない人でも一人の若い有望な選手が命を絶ったことに心を傷めてくれていますが、その理由がネットでの誹謗中傷だということも伝わっているようです。SNSを使った「サイバーいじめ」は世界的な問題のようで。

彼らもヒールを演じたりすることで酷い暴言を浴びることがあるから共感できるのでしょう。特にアレクサやナイアのように長くヒールをやっていた人のツイートはその辺を感じます。

WWEの人たちは公然と「リングにいる自分と本来の自分は違う。あれはキャラクターだ」と言っていますが、花選手は裏舞台での普段の自分をオフショット映像などでも出さないで欲しいと言っていたそうです。

ちなみに俺はテラスハウス観てないし観たくもないので、番組の中でどうなっていたのか、それを受けての実際のタイムリーな視聴者のリアクションとかは存じあげません。

とはいえ考えたら分かるでしょ…

俺はよくTwitterなんかで他人を罵倒してる人を「安全地帯から石投げてる」って言うんですが、匿名で見えないことをいいことに素性を明かしている有名人は立場もあって反撃できないだろうと好き放題に言って憂さ晴らしでもしてるんでしょう。中には自分が正義だと思い込んでる人もいるらしいですが。

でも言葉って殴れるんですよ、人を。

最近になって心的外傷なんて言葉も広まりつつあって「心は傷を負う」って知ってる人は知ってるけど、それって大体傷ついた人であって傷つける側は知らないし気にしないんですよね。

殴るっていうかナイフ、いや矢のように刺さって、鏃はずっと残ってるんですよ。だから忘れたような気がしてもふとしたはずみに傷が開いたりするんですよ。

中傷してた人なんて応援してる人に比べたら全然少ないし、本来は「好き」の山に埋もれてしまうはずなのにSNSでもなんならプロレス会場でも罵倒ってやたら大きく通る。目につくし、そういうの気になっちゃう人に限ってそういうのに目を凝らしちゃう。だから自分で自分を傷つけてると勘違いして自己嫌悪に陥る。これがまずい。

俺なんかでもガキの頃に謂われのない非難を受けたり、心無い罵倒をされたこともあって、その傷はずっと残ってる。

そしてコスプレとかやってるとあるんですよねー、エゴサしてたら出てくる書いた側としては軽い気持ちで書いた言葉。例えば独り言のように、例えば友達との会話としてSNSに書いた「軽口」は検索すれば堂々と大通りで叫んでるのと変わらない「悪口、罵詈雑言」として受け止められるんですよ。

TwitterはLINEじゃないのよ?例えるなら天下の公道ど真ん中に人がひしめきあってるようなもんよ。そこではみんな大声でしか話せないしみんなに聞こえるのよ。

っていうことを理解できないらしい。「じゃあブロックすれば?」って先に見えてるから。ポロンしといて目を背けとけはおかしいでしょうよ。

こんなことツラツラ書いても気分が悪いだけなのですが、このツライ気持ちはどうにかしなければなりません。それで似たような悲しい思い出がちょうどTLに出てきまして。2017年の5月17日に世界は偉大なヴォーカリストを失いました。

サウンドガーデンのヴォーカルとして有名なクリス・コーネルの死は公式では自殺とされていますが、実際のところは不明です。動機も、自殺であるかどうかさえ。

それはおいといて、彼と親交のあったチェスター・ベニントンのバンド、リンキン・パークが「ジミー・キンメル・ライブ」で追悼のために歌った曲がこちら。

One More Lightは元々はマイク・シノダとEGホワイトが知人を亡くしたことを歌詞にした曲らしいんですが、大切な人の喪失だけでなく、自殺を止められなかった後悔を歌っているようにも聞こえます。

この曲の入ったアルバムが一部のファンに不評で酷いバッシングを受けました。アルバム発売から5ヶ月後にチェスター・ベニントンは自宅で首を吊っているのを発見されました。公式にはこれもそのバッシングを受けての自殺ということになっています。ロックバンドの自殺というのは悲しいことによくあることなので当時はそう受け止めていたんですが、今改めてこの曲を聴くと自分の作詞ではないとはいえ、これを歌った人が自殺なんてするのか信じられません。

同じように考える人は多く、彼らの死については色々な噂があります。

まあその話も今回は本題ではないので置いておきます。

この曲は実際ある人の自殺を止めてるんですね。ちょっとしたニュースになったので知ってる人も多いでしょう。

高速道路から飛び降り自殺をしようとしていた男性にある女性がひき止めようと声をかけ、話の中でこの曲の歌詞を引用したそうな。

“Who cares if one more light goes out? Well , I do”
ひとつくらい光が消えたところで気にする人はいるか? えぇ私が。

男性は涙を流して自殺をやめたそうな。

別にこの曲が彼を助けた全てではないでしょうけど、救けのひとつにはなったようで。

今はコロナの影響で人が人に寄り添うのが難しくなっている。心が傷つくと人ってそれを抱えてどんどん内に引きこもってしまう。LINEやZOOMや電話じゃ届きにくい気持ちもあるかもしれない。

だから、今この曲が多くの人に届けばいいなと思う。

プロレスは観た人に元気をくれるものです。悪い奴も良い奴も全力で観る人を楽しませてくれるものです。

でも今はそのプロレスが傷ついてる。

Twitterで石を投げつけあうのはやめて欲しい。

どうかもうこれ以上の光が失われないように。

和訳の見れる動画も置いておきます。

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加賀邑津輔
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