2021年読んだ・観た作品ベスト5
社会人1年目の同志たちよ! 今年1年、本当にお疲れ様!! 正月はぜひ雑煮でも食べながらぐーたらして、日頃のうっぷんを晴らしてくれ!! そして気が向いたら、ぜひ今回紹介する物語を手に取ってほしいぜ! もちろん、後輩諸君、敬愛なる先輩方にも読んでいただきたい!
去年、2020年読んだ・観た作品ベスト5を公開したところ、様々な方から評価をいただき、みっちーは大変満足でした。そこで、今年もみっちーが選んだ作品ベスト5を紹介していきたいと思います。
……ところで今年はベスト5を選ぶのが非常に大変だったので、
①ベスト5
②番外編
③惜しかったで賞(でもオススメ)
という構成でいきたいと思います。
※なお、進撃や違国日記、いとみちなど、ベスト5を遥かに超える作品は紹介しません。あしからず。
第5位「リバーサイドチルドレン」
カンボジアでストリートチルドレンとして彷徨う日本人が、ある日、ストリートチルドレンを狙った殺人事件に巻き込まれていくという物語。この物語は単なるミステリー小説ではなく、理不尽な社会に向き合っていく主人公たちの戦いが見所だ。社会問題としても読める小説でもあり、幸せを追い求めた少年たちの物語でもあり、ラストの展開には胸を打たれた。
社会問題や、人間のエゴなども盛り込んだミステリーを読みたい方はぜひ。特に東南アジアに興味がある人にはいいのではないでしょうか?
第4位「かくかくしかじか」
これはもう深く語る必要はないかな?
漫画家東村アキコがどうやって道を切り開いていったのか。恩師である「先生」との大切な、過酷で、デンジャラスで、理不尽で、切ない物語。東村アキコワールド全開で、とにかく笑いが止まらない。先生の「描け」の言葉に、いったいどれほどの人が勇気づけられ、最後には涙したことだろうか。
将来、芸術関連の仕事を目指す人にはぜひ読んでもらいたい。「描け」、「描け」、「描け」。
第3位「夢で逢えたら」
女芸人×女子アナウンサーのダブル主人公が、古き廃れていく男社会とテレビ業界に翻弄されつつも、爽快に逆転していく物語。冒頭から下ネタワードが飛び出てくる。一癖も二癖もある登場人物たちが織り成す物語に、ページをめくる手が止まらない。女性だからという理由で理不尽に突きつけられるレッテル、廃れていく輝かしかったテレビの世界、そして変わりゆく時代……彼女たちが選んだ未来とは?
下ネタが苦手な人には厳しいかもしれないが、これからもっとこういう類の物語が増えていってほしい。ぜひ読んでほしい。
第2位「インターステラー」
これも深く語る必要はないですよね?
『TENET』でも知られるクリストファー・ノーラン監督による、SF映画。気候変動によって地球が徐々に住めない惑星になった未来、遥か彼方の宇宙に繋がるワームホールの向こうにある『第二の地球』を探す物語。宇宙で起こる「ウラシマ効果」によって、段々と地球と船員の時間にズレが生じていくのが、個人的にはぞくぞくと震えた。音楽も最高だ。
ところで『TENET』が「時間」をいじることで人類を救おうとした話で、『インターステラー』とはパラレルワールドの関係にあたるって本当ですか??
第1位『立ち上がれ、何度でも』
今年、最高に胸が熱くなった小説だ。
ある事件をきっかけで別れてしまった二人の少年が、同じプロレスという道を歩みながら全く異なる人生を歩み、因縁の相手としてリングに立つ物語。プロレスの光と影を歩む二人の人生だが、それぞれが抱える悩みや努力に胸を打たれる。ラストのリングは、それぞれが歩んだ道のり、出会ってきた人々のことを考えると、涙が出る。プロレス小説ってこんなに感動するんですね。
「勝ち負けじゃない。どう立ち上がり、立ち向かっていくかだ。」
明日へと頑張る皆さんに読んでほしい物語です。
番外編①『自転車屋さんの高橋くん』
これはいいぞ。『違国日記』が好きな人なら絶対に読んだ方がいい。ただのピュアな物語じゃないところがいいんだよ。仕事、将来、家族、性別、友達……いろんなことに悩みながら、二人で生きていく、この姿がいいんだ。
番外編②『ファイター、北からの挑戦者』
脱北してきた人々は、その先でも辛い現実が待っている。でも私は私だ。私として生きる。そんな力強いメッセージを感じた。ボクシングを通して自身の過去や未来と向き合っていく、とても良い映画でした。
番外編③『スタフ staph』
面白かったけど、このラストは本当にハッピーエンドなのか? たぶん許されないことをやっていて、それを全て包み込んでくれるなんて甘い世界は待っていないと思うし、そこまで追い込んだ方にも責任があるのでは? と思った作品。とりあえず、仕事に打ち込みすぎて子どもをほったらかしにするのはやめておきましょうって思いました。
惜しかったで賞(でもオススメ)
今年はたくさんの本や漫画を読んで、映画を観ました。学生のときより、社会人になってからの方が、物語に触れた気がする(いや、学生時代それでよかったんかい………)。
ここではベスト5や番外編に入れられなかったオススメ作品をリストアップしますので、気になった方は絶対に調べて、読んで、観てください。
【小説】
・『さぶ』(山本周五郎)
・『光ってみえるもの、あれは』(川上弘美)
・『雲上雲下』(朝井まかて)
・『また、桜の国で』(須賀しのぶ)
・『複眼人』(呉明益)
・『ザリガニの鳴くところ』(ディーリア・オーウェンズ)
【映画】
・『バジュランギおじさんと、小さな迷子』
・『アマンダと僕』
・『羊飼いと風船』
・『レディ・バード』
・『サイダーのように言葉が湧き上がる』
【漫画】
・『後ハッピーマニア』(安野モヨコ)
【新書】
・『承認をめぐる病』(斎藤環)
・『瞬間の記憶力: 競技かるたクイーンのメンタル術』(楠木早紀)
ここまで読んでくれた皆さんへ
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
皆さんは今年、どんな一年でしたか? 今年はどんな本を読んで、どんな映画を見て、泣いて、笑って、興奮しましたか? 今年のベスト5を見返してみると、自分は「葛藤」や「挑戦」をテーマにしたものを選んだと思います。ある意味、社会人1年目の自分に「がんばれ」って励ましていたのかな。
今回紹介した本や漫画、映画が、皆さんのうちの誰かの背中を押してくれることを祈っています。もし辛いことがあったら逃げてもいい。何度でも、立ち上がればいいんだって思います。
最後に、今年触れた物語の中で、心に残った言葉を。
『しつこくてあきらめきれない気持ちを「向いている」って言うんじゃないかなって』(画像ともに『3月のライオン』より)
『僕らは知っている。現実は何ひとつ変わらず、変えるという期待は、幻想に過ぎないことを知っている。
それでも。
(中略)変わらない現実の中で、たとえほんの短い時間でも、仲間が自由に笑える場所を作ることが、現実からの逃げ場を用意することが、僕にできることじゃないだろうか』(『リバーサイドチルドレン』より)
それでは、皆さん、よいお年を。
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